阪さん
テレビや雑誌(ざっし)で、いろんな食べ物のおいしさや栄養を
科学的に調べているものがたくさんありますね。
松阪牛では、そんな研究はないんですか?
おじさん
あるとも。研究が進められているよ。
三重県の研究所では、松阪牛の肉にふくまれる脂肪(あぶら身)の質について研究中だ。
「松阪牛ってどんな牛」の「特産松阪牛(とくさんまつさかうし)」のときにも話したけれども、
松阪牛の脂肪(しぼう)は人間の体温でもとけ出すくらいだ。
どういうことかわかるかな?
松くん
口の中で、とろけるようなやわらかさ、ですか?
おじさん
その通り。
だから食べるととてもまろやかな感じで、
いっそうおいしく感じられるよ。
それだけじゃない。
松阪牛をはじめ、和牛の肉の脂肪(しぼう)は
体にもいいとされているんだ。
ガンにかかりにくくなったり悪玉コレステロールを減らしたりするそうだよ。
阪さん・松くん
わあ、いいなあ。
脂肪(しぼう)の質の研究(三重県科学技術振興センター畜産研究部)
肉に含まれる脂肪(しぼう)の種類やとける温度を調べます。
三重県の研究所
三重県庁には畜産研究所があります。
牛・ぶた・にわとりなどをたくさん育てており、
家畜としていいものをつくるために、研究をしています。
小学生の社会見学にも、りようされているよ。
おじさん
東京にある畜産専門(ちくさんせんもん)の大学では、
「和牛香(わぎゅうこう)」という、
和牛の肉にしかない甘い香(かお)りを調べている。
松阪牛を含む和牛の肉にはいい香りがあって、
すき焼きや焼き肉で食べると、
いい香りが出ておいしさが引き立つんだよ。
阪さん
やっぱり松阪牛は、わたしたちのまちの大切な、
すばらしい財産(ざいさん)ね。
和牛香の研究
(日本獣医生命科学大学(にっぽんじゅういせいめいかがくだいがく))
牛肉の香りの研究です。
松くん・阪さん
きょうは松阪牛のことがよくわかりました。
どうもありがとうございました。
おじさん
どういたしまして。
松阪牛のことを、他のみんなにも教えてあげてね。
和牛肉には、外国種の牛肉に無い独特の甘い香りがあり、
これを「和牛香」といいます。
主にラクトン類という香りの成分によるもので、80℃程度で2分間水煮した場合に最も強く現われ、
したがって和牛肉をすき焼きやしゃぶしゃぶで食べると和牛香を楽しめます。
不飽和脂肪酸は脂肪の融点を低くする作用がありますが、
これも和牛肉に多く含まれ、伝統的な松阪牛である兵庫県但馬地方産の牛は最も多く、
そのため松阪肉の脂肪融点は際立って低く、
食べた時に非常にまろやかで口当たりが良くなります。
また不飽和脂肪酸には発ガンの抑制や血中コレステロール値の低下などの
作用があることも知られています。