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宝塚1号墳は、5世紀の初め頃(およそ1600年前)につくられた、全長111mの旧伊勢国で最大の前方後円墳です。発掘調査の結果、古墳の北側のくびれた部分で、「造り出し」とよばれる儀式をおこなう場所がみつかりました。
「造り出し」は、幅18m・奥行き16m高さ2mの四角い舞台のような施設で、古墳に死者を葬る際に儀式をおこなった場所です。周囲の斜面には古墳本体と同じように葺石(ふきいし)が置かれています。東・西・北側の3面の葺石は、2段に分かれており、下段は古墳の葺石につながり、葺石間の平らな面には埴輪が列状に並べられています。「造り出し」の周囲では、当時置かれた位置を保った状態の埴輪がたくさんみつかり、埴輪を使った儀式のようすを知る手がかりを得ることができました。また、「造り出し」は古墳本体と通路のような土橋でつながっています。このような姿のものが発掘調査でみつかったのは宝塚1号墳が初めてで、古墳築造の系譜をたどる重要な手がかりとして注目を集めました。
姿を現わした「造り出し」(左:後円部から 右:真上から)
造り出しでの発掘調査の様子
埴輪がみつかった時の様子(左:船形と家形 中:船形 右:船形埴輪の台)
造り出しでみつかったさまざまな埴輪(左から船形、囲形、柱状、家形)
宝塚1号墳の「造り出し」で注目されるのは、古墳が造られた当時に置かれた位置で埴輪がみつかったことです。総数100点をこえる埴輪の置かれた位置、埴輪の組み合わせ方について、かなり細かいところまで調べることができました。
発掘調査で明らかとなった造り出しの埴輪配列
模型で復元した宝塚1号墳と造り出し(松阪市文化財センター所蔵)
発掘調査成果をもとに作成した造り出し模型(松阪市文化財センター所蔵)
松阪市宝塚町、光町
鈴の音バス「市街地循環線左回り」乗車 約30分『山室山小学校口』下車 徒歩5分
市街地循環線時刻表(平日) [PDFファイル/625KB] 市街地循環線時刻表(土日 祝日 年末年始) [PDFファイル/475KB]
タクシー利用 約20分
車で約20分