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「赤レンガの倉庫」として皆さまに親しまれている松阪市文化財センターの象徴「市民ギャラリー」は、登録有形文化財に登録されています。
松阪市文化財センター市民ギャラリー棟は、旧鐘渕紡績松阪支店の原綿製品倉庫として、大正12年(1923年)に建設されました。長さ約74m・幅10.6mの細長い建物の外壁は、レンガの小口面と長手面が1段ごと交互に現れる「イギリス積み」と呼ばれる工法で積まれています。また、間隔をあけて柱型が表現されている外観も、当時の姿をよくとどめています。内部は4室に区画され、正面には庇がついていました。
平成5年4月の合理化による工場閉鎖により、工場内にあった建物とともにこの建物も壊される予定でした。しかし、保存を望む声が高まり、平成6年に松阪市が取得することになりました。その後、建物の補強・修復工事を経て、平成8年に開設された松阪市文化財センターの市民ギャラリー・収蔵庫に生まれ変わりました。現在は、松阪市美術展覧会会場、個人・グループの展覧会場としてご利用いただき、松阪市内外の多くの皆さまに親しんでいただいています。
《大正12年(1923年)建築/レンガ造り、平屋切妻造、鋼板葺、全長約74m・10.6m、建築面積1,044平方メートル》
旧カネボウ綿糸松阪工場綿糸倉庫(左:文化会館側の外観 右:カネボウ跡公園側の外観)
左:文化財プレート(第1ギャラリー入口横) 中:「イギリス積み」のレンガ外壁 右:建物内部の小屋組み
左:ギャラリー前通路 中:ギャラリーでの展示状況 右:埋蔵文化財収蔵庫
私たちのまわりには、自然や町並みなど後世にのこしたい風景が多くあります。地域にのこる古い建物のうち、人びとに親しまれている建物、時代の特色をよく表したもの、二度と造れないものは、かけがえのない文化財であるという考えに基づき、平成8年に文化財建造物を守り、地域の資産として活用するため「文化財登録制度」が制定されました。この制度は、建築から50年を経過した歴史的な建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録し、ゆるやかな規制を通じて保存を図り、その活用を促進しようというものです。
名称 | 員数 | 時代 | 所在地 | 指定年月日 | 所有者・管理者 |
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松阪市文化財センター (旧カネボウ綿糸松阪工場綿糸倉庫) |
1棟 | 大正 | 外五曲町 | 平成14年 7月16日 |
松阪市 |
松阪市立歴史民俗資料館(旧飯南郡図書館) 本館 | 1棟 | 明治 | 殿町 | 平成9年 9月3日 |
松阪市 |
松阪市立歴史民俗資料館(旧飯南郡図書館) 倉庫 | 1棟 | 明治 | 殿町 | 平成9年 9月3日 |
松阪市 |
鈴屋遺蹟保存会旧事務所 | 1棟 | 明治 | 殿町 | 平成19年 9月30日 |
(公財)鈴屋遺蹟 保存会 |
鈴屋遺蹟保存会倉庫 | 1棟 | 明治 | 殿町 | 平成19年 9月30日 |
(公財)鈴屋遺蹟 保存会 |
鈴屋遺蹟保存会正門 | 1棟 | 明治 | 殿町 | 平成19年 9月30日 |
(公財)鈴屋遺蹟 保存会 |
鈴屋遺蹟保存会塀 | 1棟 | 明治 | 殿町 | 平成19年 9月30日 |
(公財)鈴屋遺蹟 保存会 |
旧飯南郵便局局舎 | 1棟 | 昭和 | 飯南町 | 平成23年 1月26日 |
個人 |