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当科は開設以来、三重県中南勢地区の内科急性期中核病院としての役割を果たしてきましたが、ほんの数年前には医療崩壊の荒波にのまれ、常勤内科医の数が一桁まで激減し、救急医療をはじめとした急性期診療継続に危機感を抱かざるを得ない時期を経験いたしました。当時周囲の方々に多大なご心配、ご迷惑をおかけしておりましたが、皆様方のご協力により現在当科は常勤医15名(2013/4現在)の体制にまで復活する事が出来ました。
そんな中、患者中心の医療を具現化するために、2012年度からは各領域別のセンター化構想を立ち上げ、内科/外科といった旧来の診療科の垣根を取り払い、呼吸器・消化器・循環器と言った臓器別に特化した診療体制を確立して参りました。この結果より的確により迅速に患者さんに対応する事が可能となり、これまでよりもさらに高度な先端医療を提供する事が可能となりつつあります。
まず2012年4月に三重大学呼吸器内科および呼吸器外科のご協力により呼吸器センターを開設させて頂き、県中南部の呼吸器医療の中核となるべく研鑽を重ねております。さらに2013年5月には先端的内視鏡治療を中核とした消化器センターを開設させて頂き、松阪市健診センターとも連携し予防医学から先端医療まで幅広く対応可能な診療体制を確立しております。今後は循環器等の領域においても臓器別診療体制の確立を予定しており、これまで以上により迅速により的確に皆様のご要望に応えるべく、各科急患ホットラインの開設、地域における症例検討会などこれまで実施できなかった新たな試みを始めております。
また救急医療分野においては岐阜大学救命医療センターの、腫瘍内科分野においては三重大学腫瘍内科の指導のもとさらに高度な先端医療を提供できるように心がけております。さらに病院に併設された松阪市健診センターとの密接な連携により、急増する糖尿病などの生活習慣病に対しては、地域での公開講座、患者教室などを通して住民の健康増進に取り組んでおります。どんな事でも結構ですのでぜひ一度当科までご連絡をください。
当科ではより専門性の高い診療を目指し、原則として臓器別診療を心がけております。
患者様の状態により専門性の高い診療が必要とご判断される場合には、直接各専門外来にご紹介いただければ幸いです。
当院では、より充実した内容に改め日常診療に役立てる内容を目指します。各分野ごとに定期的に皆様からの紹介症例をもとにした検討会、並びに特別講師を招聘するなど専門情報の提供に努めたいと考えます。また各領域の病診連携ツールとしてパスを作成し地域ぐるみで医療レベルの向上に取り組みたいと考えます。
当院では、医師会および健診センターと連携し、主として呼吸器/消化器/循環器の3領域の市民啓蒙を目的とした公開講座を継続開催させて頂いております。こうした活動を通して住民の健康意識を高めると同時に、より密接な病診連携を推進したいと考えております。