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自治体病院は、都市部からへき地に至る多様な地域において、さまざまな規模・診療体制で医療を提供しています。そのため、当協議会の臨床指標は地域医療や精神医療等の項目を多く選定した自治体病院固有の指標となっており、自治体病院が担う役割の重要性を示すとともに、その充実を図ることを目的としております。
平成26年6月24日厚生労働省の平成26年度医療の質の評価・公表等推進事業として採択され、松阪市民病院はこの事業の協力病院として参加しています。
全国自治体病院協議会『医療の質の評価・公表等事業』はこちらをクリックしてください。
自治体病院は地域の医療機関等からの紹介患者さんの診療をしています。病院に初診で来る患者さんに対して、紹介受診、救急受診する患者さんの割合を表します。
数値が高い場合には、直接初診する患者さんより地域医療機関等からの紹介や救急来院が目立つことを表しています。地域にもともと医療機関が少ない場合(島嶼部、過疎地域を担当している病院など)、地域住民の健康管理を直接担っている場合には、まっすぐ病院を受診されるため率が低くなります
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
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90.6% | 101.4% | 105.4% | 108.9% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
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102.1% | 106.7% | 108.2% | 111.6% |
自治体病院は地域の医療機関との役割分担で地域住民の健康を担っています。検査が終わった患者さんや、治療が一段落したり、治療方法が定まった患者さんは、患者さんの利便性等を考慮し、かかりつけ医への紹介(逆紹介といいます)を行っています。
かかりつけ医との連携関係が強いと率は高くなります。初診患者数が多いと率は低くなります。もともと、地域医療機関が少ない(島嶼部や過疎地域)と診療所などへの逆紹介が困難となります。地域医療を病院がかかりつけ医として直接担っているためです。より高い値を目指しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
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32.8% | 34.8% | 37.6% | 35.0% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
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38.8% | 40.2% | 30.8% | 34.8% |
地域医療支援病院とは法律(医療法)で定められた、紹介患者さんや救急医療などを担う病院です。
救急、時間外初診などを除いた、初診患者を分母としており、医療機関の地域での役割分担(地域のかかりつけ医などへの支援)に配慮した指標です。
今回は、この機能をみるため、地域医療支援病院以外の病院でもこの指標を計算、表示しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 |
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85.3% | 101.7% | 102.1% |
2017/1 | 2017/4 | 2017/7 | 2017/10 |
---|---|---|---|
117.7% | 110.7% | 103.2% | 94.6% |
地域医療支援病院とは法律(医療法)で定められた、紹介患者さんや救急医療などを担う病院です。
救急、時間外初診などを除いた、初診患者を分母としており、医療機関の地域での役割分担(地域のかかりつけ医などへの支援)に配慮した指標です。
今回は、この機能をみるため、地域医療支援病院以外の病院でもこの指標を計算、表示しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 |
---|---|---|
49.2% | 61.9% | 61.0% |
2017/1 | 2017/4 | 2017/7 | 2017/10 |
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66.1% | 74.1% | 57.0% | 54.5% |
期間中、新規に入院となった患者さんのうち、かかりつけ医等から受診した患者さんがどれだけの割合であったかを示しています。
かかりつけ医との役割分担で自治体病院が担う機能の一つが入院診療です。かかりつけ医で対応困難な検査や治療を必要とする患者さんを自治体病院が紹介を受けて入院となります。割合が高いほどかかりつけ医等からの紹介を受けていることになります。
もともと入院患者数が多い場合や、地域にかかりつけ医が少ない場合(島嶼部や過疎地域など)には数値が低くなることがあります。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
51.9% | 57.8% | 58.3% | 56.2% |
2018/01 | 2018/1 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
62.5% | 55.4% | 53.3% | 59.3% |
退院患者さんのうち、自宅などへの退院の割合です。
治療が一段落し、自宅などへ退院することが多い場合には、率が上昇します。
急性期医療を主に担っている病院の場合には、リハビリ等を専門の病院に転院して、より身体機能を安定させてから退院する場合もあります。このような場合には率が低くなります。
協力病院により選択している診療報酬上の基準が異なるため、今回の事業で定義した計算式により指標値を算出しました。このため、病院で算出している数値とは異なります。ご注意ください。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
85.4% | 89.5% | 90.2% | 91.6% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
89.3% | 91.2% | 91.3% | 92.2% |
ここでの地域とは二次医療圏を指します。
自治体病院は地域の医療機関(かかりつけ医)と連携し、住民の医療を支えています。かかりつけ医が診察し、その結果、病院での診療が望ましい場合には病院への紹介となります。地域の多くの医療機関との連携を図っている場合には数値が高くなります。
政令指定都市などの大規模な二次医療圏では、医療機関数そのものが多いので、率は低くなります。大都市に隣接した市町村で地域密着の強い病院でも率は低くなります。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
33.0% | 32.9% | 35.2% | 38.6% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
39.0% | 36.9% | 36.7% | 42.8% |
ここでの地域とは二次医療圏を指します。
政令指定都市などの大規模な二次医療圏では、医療機関数そのものが多いので、率は低くなります。大都市に隣接した市町村で地域密着の強い病院でも率は低くなります。分母の救急搬送数は、管轄の消防本部等に照会を行うため、データの提出が間に合わない場合があります。より高い値を目指しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
13.6% | 13.9% | 13.3% | 12.9% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
13.0% | 12.5% | 12.9% | 13.4% |
入院患者さんが転倒・転落した場合に、何ともない場合もありますが、レントゲン検査や傷の処置などが必要になる場合もあります。レベル2以上とは、検査や処置などが必要になった場合を意味します。
認知症があったり、病気の影響で意識が混濁したりしている場合には、ご自分のまわりのことが認識できず、あるいは、体のバランスを崩したりして、転倒したり、ベッドから転落したりします。このような患者さんが多い病院では率が高くなることがあります。より低い値を目指しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
0.00039% | 0.00034% | 0.00035% | 0.00043% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
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0.00032% | 0.00040% | 0.00048% | 0.00040% |
褥瘡(じょくそう)は低栄養の患者さんが、長く寝込んでいたりするとできます。
低栄養の患者さんや一定の体の向きしか取れない場合には褥瘡ができやすいので、このような患者さんが多い場合には率が高くなることがあります。より低い値を目指しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
0.035% | 0.032% | 0.055% | 0.039% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
0.059% | 0.050% | 0.035% | 0.034% |
肺血栓塞栓症とは、下肢や腹部でできた血の塊(血栓)が肺に行く血管(肺動脈)に詰まる病気です。予防には血液凝固を抑える薬剤を使用したり、弾性ストッキングなどを利用することがあります。
肺血栓塞栓症は、大きな手術後、ベッド上安静を長くしている場合に発症しやすいとされています。今回の指標では、手術のリスク分類を行い、中リスク以上の手術の前後で対策が行われている率を測定しました。対策に積極的に取組んでいる病院は率が高くなります。
血液凝固を抑える薬剤(抗凝固剤)を使用できない患者さんや弾性ストッキングを下肢に着用できない患者さんもありますのでこのような患者さんが多い病院では率が低くなります。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
90.5% | 92.6% | 93.5% | 94.8% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
95.2% | 95.3% | 94.9% | 94.2% |
パスとは良質な医療を効率的、かつ安全、適正に提供するための手段として開発された診療計画表をいいます。(厚生労働省Webより抜粋)
主な診療に先だって計画が行われるため、患者さんは事前の説明が受けやすくなります。しかし、まれな疾患や病状などではあらかじめ計画を立てることが出来ないためパスを利用することは困難です。このような疾患を多く診療している医療機関は使用率が低くなる場合があります。また、重症患者さんが多い病院も病状が一定でないため使用率が低くなる場合があります。診療計画表にはパス以外にも抗がん剤治療計画などがありますが、今回の調査では含まれておりません。病院によってパスの運用等が異なることがあり、100%を超える場合には指標値のみが非表示になっています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
57.5% | 49.4% | 38.7% | 46.6% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
---|---|---|---|
39.3% | 46.4% | 45.1% | 48.2% |
パスとは良質な医療を効率的、かつ安全、適正に提供するための手段として開発された診療計画表をいいます。(厚生労働省Webより抜粋)
主な診療に先だって計画が行われるため、患者さんは事前の説明が受けやすくなります。しかし、まれな疾患や病状などではあらかじめ計画を立てることが出来ないためパスを利用することは困難です。このような疾患を多く診療している医療機関は使用率が低くなる場合があります。また、重症患者さんが多い病院も病状が一定でないため使用率が低くなる場合があります。診療計画表にはパス以外にも抗がん剤治療計画などがありますが、今回の調査では含まれておりません。主な治療が済んだあとに退院準備に時間を要した場合などにはこの指標が低下することがあります。病院によってパスの運用等が異なることがあり、100%を超える場合には指標値のみが非表示になっています。より高い値を目指しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
21.0% | 18.0% | 14.1% | 16.5% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
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13.9% | 17.8% | 15.8% | 16.1% |
脳梗塞では麻痺などの症状がでます。早期からリハビリテーション(理学療法、作業療法、言語療法)を行ったほうが機能回復がよいとされます。
積極的に取組んでいる病院の場合には単位数が高くなります。しかし、高齢者で血圧が不安定などリハビリテーションの開始に注意を要する場合があります。このような患者さんが多い病院は数値が低くなります。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
13.8% | 19.1% | 18.0% | 14.5% |
2018/1 | 2018/4 | 2018/7 | 2018/10 |
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16.5% | 16.2% | 10.0% | 15.8% |