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本庁管内 東部地区
56-108
木造僧形坐像
(もくぞうそうぎょうざぞう)
県指定有形文化財
1躯/平安時代/朝田町 朝田寺/像高63cm、檜材、一木造/昭和53年2月7日
彩色は剥落して一見素地に見える。前後に長い頭部、長い眉、切れ長で大きな眼、一直線の上瞼、への字に結んだ口、広い肩幅といかり肩、太くて深い衣文(えもん)、ほとんど出のない裳先(もさき)、鋭角に組んだ足、床面に直角となる膝頭の線などから、平安初期の造像といえよう。元来こうした肖像彫刻は、鎌倉時代に盛んであり、平安初期の作品はきわめて少ない。