本文
12-46
刀 銘村重
(かたな めいむらしげ)
県指定有形文化財
鎬(しのぎ)造り、庵棟(いおりむね)、中切先、先反りは強い。鍛えは板目、刃文はのたれ足入り、帽子は火焔ごころに尖(とが)る。表裏の刃文はよく揃い、両面に棒樋(ほうひ)を掻き流している。茎(なかご)の形はたなご腹で鑢(やすり)は筋違(右下り)で、目釘穴は2個。銘「村重」。
村重は桑名の刀匠村正の門人で、16世紀前半代の刀鍛冶。実在刀は非常に少なく、現在、三重県に登録されているものはこれ一口(ふり)のみで、本作は村正の特色をよく示している。