ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 市長の部屋 > 令和5年度当初予算提案説明における基本的な考え方について

本文

令和5年度当初予算提案説明における基本的な考え方について

ページID:1082300 更新日:2023年2月15日更新 印刷ページ表示

 令和5年2月定例会におきまして、令和5年度当初予算を提案するにあたり、基本となる私の考え方を述べさせていただきます。

 令和5年度は、市長として市政を担わせていただいてから、2期目の最後の年となりますが、その内の約3年間はコロナ禍の中での市政運営であり、松阪市の状況に合った適時適切なコロナ対策を講じてまいりました。

 私は、市長就任以来「誰のため、何のため」を常に問いかけながら、また、職員との対話の中では「市役所は、市民のための総合サービス業である」と繰り返し伝えてきました。そして、持続可能な松阪市をめざして、様々な挑戦をしてまいりました。

 まず、私の2期目の任期に合わせて策定いたしました、「総合計画~明るいわ!楽しいわ!松阪やわ!~」の「7つの政策」に沿って、振り返っていきたいと思います。

 政策1の、「輝く子どもたち」からです。
 私が就任以来、申し上げております「子育て一番宣言!」は2期目も変わることなく進めており、子育て政策を主軸として、子どもたちを取り巻く環境の向上のため様々な取り組みを行いました。
 まず、GIGAスクール構想では、LTEモデルのタブレット端末を全ての児童生徒に配布し、増大する不登校に対しても「いきいき学校プロジェクト」を始めました。

 春日保育園の完成などにより、令和5年度も含めると379名の定員増を図るとともに、21時までの超延長保育や、預かり保育が可能な幼稚園の増園、全公立保育園およびこども園で、「主食のご飯」の提供や、「使用済み紙おむつ」の回収処分、さらに、3人目以降の子育てを応援する「ワンモアベイビー支援事業」や、養育費の履行を担保するための公正証書作成の補助金を創設するなど、様々な子育て政策を大きく進めてまいりました。

 政策2の、「いつまでもいきいきと」では、
「福祉まるごと相談室」の創設により、地域福祉を一体的に推進する体制のスタートを切りました。
 また、「もめんノート」や「成年後見センター」、「エンディングサポート相談窓口」の開設など、全ての年代の方が安心して暮らせるまちづくりを進めました。

 政策3の、「活力ある産業」では、
コロナ対策や原油高騰への対応として、多岐に渡る業種の事業者に対して様々な支援を行ってまいりました。
 また、この2期目におきましても、464名の新たな雇用の場を確保しており、今年4月には市内へ本社機能の移転を予定している企業もございます。

 政策4の、「人も地域も頑張る力」では、
令和3年4月に、43全ての地域で住民自治協議会がスタートし、地域と行政が協働する取り組みが動き出しました。

 「まつさか移住交流センター」を開設し、中山間地域への移住・定住の増加を図るとともに、11の山々を選定した「まつさか香肌イレブン」も好評を得ました。

 念願の「みえ松阪マラソン2022」は、2度の延期を経て、昨年12月に第1回が開催され、参加者、ボランティア、そして市民の皆様が一体となり成功裡に終えることができました。

 政策5の、「安全・安心な生活」では、
南海トラフ地震発生時における津波避難困難地域の解消に向け、 2つの避難タワーが完成いたしました。

 交通事故を未然に防ぐため、主要市道の白線の引き直しや、通学路等の安全対策を行いました。

 政策6の、「快適な生活」では、
カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、市役所本庁舎など4施設へ太陽光パネルの設置に着手するとともに、森林によるCO2吸収量を国が認証するJ-クレジット制度の計画認証を完了し、市内中小企業に向けての補助制度も創設し支援を行いました。

 総合運動公園については、デイキャンプ場と遊歩道の完成をもって事業完了となります。今後も市民の皆様がレクリエーションや自然観察、そしてスポーツを通じ健康になれるまちづくりの場としてまいります。

 政策7の、「市民のための市役所」では、
「書かない窓口」を実施するとともに、証明書等の手数料の支払いにキャッシュレス決済を可能といたしました。また、庁舎外に「マイナンバーカードセンター」を設置し、土曜日・日曜日もカード申請の手続きや受取り等が出来るようにいたしました。

 公式のスマートフォン向けアプリ「松阪ナビ」を配信し、身近な情報をプッシュ通知で受け取ることが出来るようになりました。また、24時間利用可能なオンライン申請総合窓口「ちゃちゃっと手続き」を開設し、市民目線に立ったDXを推進しております。

 なお、私は2期目におきましても「借金を増やさない」とお約束しており、臨時財政対策債を除く平成30年度末の一般会計市債残高290億円、令和3年度決算におきましては、243億円となり、平成30年度と比べ、47億円減らすことができ、公約どおり健全な財政運営が出来たものと自負しております。
 また、臨時財政対策債を含む「市債残高」については、平成30年度と比べますと、477億円が456億円となり、21億円減らすことができ、財政調整基金の残高も、平成30年度末の98億円が113億円を超える結果となっております。

 さて、令和5年度は、これまでの日常を取り戻し、本格的に社会や経済が動き出すと思っております。新型コロナウイルス感染症により、大きく変わった社会や価値観にも、柔軟にかつスピード感を持って対応できる松阪市であることが、これまで以上に重要となってくると考えております。
 令和5年度当初予算は、コロナ禍を乗り越え、これまで進めてきたものを更に進化させる、「ポストコロナへの希望の予算」として編成をいたしました。

 では、ここからは、令和5年度当初予算の編成にあたっての歳入・歳出のおおまかな考え方についてご説明させていただきます。

 まず、歳入につきましては増収を見込んでおり、地方交付税および臨時財政対策債は、地方財政計画を勘案し計上しております。
 各種譲与税、県税交付金など一般財源を構成する市税以外の財源については、経済情勢により交付額が上下するものですが、地方財政計画や三重県の予算を参考に、全体としては増額になるものとして見込みました。

 財政調整基金繰入金については22億円とし、財政調整基金残高は、令和4年度11月補正後時点の残高約99億円から、令和5年度末残高は約77億円となります。

 歳出ですが、昨年度の経常経費を維持しながら、カーボンニュートラルへの取り組みや新たなDXの推進に向けた対応などに、約7億円の特別枠・復活枠を設けて対応いたしました。
 なお、引き続き財政調整基金を活用しつつ年間総合予算により、収支均衡のとれた健全な財政運営を図ることに努めてまいります。

 次に、令和5年度の予算編成における主な4つの視点について申し上げます。

 まず1つ目は、「子育て支援」です。
最初にも申し上げましたが、「子育て一番宣言!」のもとに子育て施策を進めておりますが、これは「未来への投資」だと考えており、令和5年度におきましても、直接的、間接的に継続して進めてまいります。

 まず、令和6年の開園をめざして、私立保育園の2園の建て替えへの補助を行うことにより、定員60人の増となる見込みでございます。
 また、放課後児童クラブは、第二小学校および阿坂小学校で、新たに設置されることから41クラブとなります。今後も、保護者が「安心して預けられ」、児童も「安心して過ごせる」環境整備を図ってまいります。

 現在、市内には市が委託している一時預かりが可能な施設は2つしか無いことから、新たな受け入れ先として、認可外保育施設を利用した一時預かりを実施するとともに、子育て支援センター「ふれんず」においても、一時預かりを10月より開始し10箇所といたします。
 また、妊娠期から出産・子育てが安心してできる環境整備として、令和5年度から「産前産後サポート事業」を実施し伴走型相談支援を充実します。

 子育てを応援する市内企業を認定・表彰する制度を新たに設け、企業の子育て支援への意欲の高揚を、より一層図るとともに、働くことと子育ての両立に取り組む国の認定制度「くるみん」の認定を受けた市内に本社のある事業者に対して奨励金を創設いたします。

 さらに、不特定多数が利用可能な施設や店舗などと協力し、授乳やおむつ交換などができる施設を「赤ちゃんの駅」として認定し、情報発信することで、乳幼児を連れた方でも安心して気軽に外出できる環境を整えてまいります。

 2つ目は、「新しい公の形」です。
 これまでの福祉行政は、窓口に来ていただく「受け身」の形が一般的でしたが、「福祉まるごと相談室」では、地域へ出向いていく、「一歩踏み出した」アウトリーチ型で動き出しており、これを更に進め、地域共生社会の実現に向けて、令和5年度は新たに3地区で開設いたします。

 そして、今年4月には住民自治協議会が指定管理者となる「コミュニティセンター」が徳和地区でスタートいたします。これは、行政と地域がパートナーシップを組み、まちづくりを進める「新しい公の形」となると考えており、令和5年度は、さらに地域より申し出があった2地区での実施に向け進めてまいります。今後、地域の活動の拠点ともなり、地域福祉の向上にも繋がっていくと考えております。

 令和5年度は、地域の担い手を確保するための新たな枠組みとして、飯南・飯高地域で「特定地域づくり事業協同組合」の設立を行うとともに、空家バンク事業を含む移住および定住への取り組みも委託することで、より効果的な対策を公民連携で進めてまいります。

 また、市民の皆様やNPO活動等の資金的基盤を強化し、公益の担い手として民間活動を育成することをねらいとした、コミュニティファンドの設立に向け検討を始めます。
 そして、国の地域活性化起業人制度を利用し、民間企業から人材を受け入れることで、民間のノウハウやネットワークを活用するとともに、外部の新たな視点も取り入れ、効果的に業務を進めます。

 人口減少や少子高齢化、社会の複雑化の中では、市民の皆様と行政が、課題をともに解決する「地域との協働」や、企業等との連携により新しい解決方法を見出す「公民連携」を行うことが、これまで以上に重要になると思っております。

 さらに、市役所の行政運営も改革を引き続き実行していきます。
 まず、昨年より実施のオンライン申請総合窓口では、さらに便利に利用できる環境を整えてまいります。
 また、本庁と各地域振興局とをテレビ電話形式で接続し窓口相談を行う「遠隔窓口システム」の運用をスタートし、市民の皆様にとって「やさしい(優しい・易しい)」DXの実現をめざしてまいります。
 近年、政策立案における信頼性を確保するため「EBPM(根拠に基づいた政策立案)」や、行動科学の知見から望ましい行動をとれるよう後押しするアプローチ「ナッジ」の活用を視野に入れ研究を行います。

 この様な、新たな行政運営の手法も取り入れながら、限られた人材と予算の中で、より効率的・効果的に事業を実施し、適切な市民サービスへと繋げるとともに、職員提案制度などの「松阪らしさ」も組み合わせながら、外部評価等も取り入れ、総合サービス業である市役所を、「市民のための市役所」として運営を行ってまいります。

 3つ目は、「地域の活性化」です。
 まず、ポストコロナを見据えた観光施策として、宿泊観光客に対して「ウチの逸品」の参加店舗で利用できるクーポンを令和5年度も発行するとともに、観光需要の閑散期に滞在型のイベントなども実施し、1年を通して切れ目のない事業展開を行い、引き続き主要施策の柱のひとつとして、交流人口の増加を図るとともに、地域経済の活性化に繋げてまいります。

 また、令和5年に三井越後屋創業350年を迎えることから、文化と観光の両面から、三井高利にゆかりのある文化遺産の磨き上げを行うとともに、記念講演会や日本橋三越本店との連携事業等を展開いたします。そして、小津安二郎も生誕120年没後60年の節目を迎えることから、昨年刊行した「小津安二郎松阪日記」に関連した企画展の開催やトークイベントなどを実施し、小津安二郎の顕彰と全国に向けた情報発信を行います。

 土地利用の方向性やまちづくりの方針等を示す「松阪市都市計画マスタープラン」を、令和5年度から3か年をかけて改定を行うことで、社会・経済情勢の変化に対応していくとともに、松阪駅西地区複合施設計画につきましては、令和5年度に用地測量等を行い、引き続き実施に向けサウンディング調査も行います。

 そして、喫緊の課題となっておりました、新たな産業用地につきましては、令和7年度の完成に向け、令和5年度は用地取得や造成計画を行ってまいります。これにより、地域経済の成長と発展を図るとともに、雇用創出につながる企業誘致を今後も進めてまいります。

 4つ目は、「カーボンニュートラルへの取り組み」です。
 昨年度から、公共施設への太陽光発電の導入や中小企業のカーボンニュートラルへの支援など、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行っておりますが、令和5年度はさらにこれを加速度的に推進してまいります。
 まず、松阪市が2050年の脱炭素社会の実現をめざしていくため、市民の皆様、事業者そして行政が一体となって脱炭素への取り組みを強化し、環境分野における様々な課題に取り組んでいく必要があると考えております。
 そこで、本日この議場において「ゼロカーボンシティ宣言」を表明いたします。この第一歩として、地球温暖化対策推進法に基づく「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」の策定を行います。

 さらに、令和5年度におけるカーボンニュートラルへの取り組みとして、まずは公共施設における脱炭素化施策に行政として率先して取り組んでまいります。
 具体的には、公共施設のLED化を進めリース方式による整備を行う予定でございます。
 また、公共施設への太陽光パネルの設置については、15程度の施設へ事業者が発電設備を設置し、発電した電力をその施設等へ販売するPPA方式により導入していく予定です。
 そのほか、道路照明灯のLED化、公用車のEV化などについて取り組んでまいります。

 そして、昨年度から進めております市内中小企業のカーボンニュートラルへの取り組みに対する支援に加え、令和5年度からは、家庭の脱炭素化の促進を図るため、脱炭素化住宅等促進補助金を創設し、これまでの「自治体としてのCO2削減」と「市内中小企業への支援」の2つの柱に、「家庭への支援」も加え推進してまいります。

 以上、令和5年度の予算編成における主な4つの視点と関連する新たに取り組む事業について申し上げました。
 私は常に、市民の皆様が「ここに住んで良かった・・・みんな大好き松阪市」と実感していただけているのか、満足いただける行政サービスを提供できているのかを問いながら市政運営を行っております。
 そして、「ずっとここに住みたい」と思える魅力的な「松阪市」となり、市民の皆様にも「そう感じて」いただくことが、持続可能なまちづくりに繋がっていくと思っております。

 これからも、「スピード感」と「独自性」を追求してまいりますので、ポストコロナ元年となる令和5年度も、議員の皆様、市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

令和5年2月15日

松阪市長 竹上 真人

ダウンロードファイル

Adobe Reader
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)