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令和3年度当初予算提案説明における基本的な考え方について

ページID:0109532 更新日:2021年2月17日更新 印刷ページ表示

 令和3年2月定例会におきまして、令和3年度当初予算を提案するにあたり、議員の皆様、市民の皆様に基本となる私の考え方を述べさせていただきます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の流行で、日本はもとより世界中が多大な影響を受け、これまで誰もが経験したことのない1年となりました。
 東京オリンピックの延期をはじめとして、市内でも様々なイベントや祭りなども中止・延期となり、市内の小中学校では約2か月間の臨時休業により、子どもたちにも大きな影響を与えました。
 その対策としまして「松阪市PCR検査センター」の開設、「松阪市テイクアウト支援商品券」や「コロナに負けるな!松阪みんなの商品券」、「小規模事業者を支える持続化支援事業補助金」などの多岐に渡る事業を、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用しながら、「今市民の皆様が何を望んでおられるか」、「今何が必要なのか、何をやるべきなのか」を常に考えながら、機を逸することなく感染症対策はもとより、雇用や経済、教育など様々な対策を松阪市の状況に合わせ、適時適切に講じてまいりました。

 昨年、新たに取り組んだ主な事業について、少し詳しく申し上げますと、新型コロナウイルスにより前倒し実施されました、1人1台タブレットの「GIGAスクール」です。私は、これは教育革命であると考えており、最先端のICT教育を取り入れることにより、学校教育が大きく変わると考えております。
 松阪市の特徴としまして、LTEモデルを導入しましたことから、今年の4月以降の持ち帰り学習においても、全ての小中学校の児童生徒が、家庭のWi-Fi環境に関係なく学ぶことができます。家庭環境などの格差による教育の差も大きく軽減されると考えております。

 次は、松阪市版エンディングノート「もめんノート」です。9月から配布をさせていただいており、多くの方から大変ご好評をいただいておりますが、今後も地域包括支援センターや関係職種と連携し啓発を進めるとともに、昨年は新型コロナで縮小を余儀なくされた「書き方講座」を継続いたします。また、高齢者はもとより、高齢者以外の方にも自分のことを書き記してもらえるよう工夫をしておりますので、ご活用いただければと思います。

 その次は、県下初の試みの「書かない窓口」です。各種証明発行から印鑑登録、住民異動届について、お客様からの聞き取りにより職員が申請書を作成し、お客様は印字された内容の確認と署名のみで手続きが完了いたします。窓口アンケートでは、90%以上の方から「手続きが早くなった」「手間がなくなった」などの声をいただいており、今後も引き続き利便性の高い窓口サービスの向上に取り組んでまいります。

 最後は、新しい「総合計画」の策定です。この計画の特徴としまして超高齢社会へ向けての横断的な視点を記載しており、今後も進む人口減少や少子高齢化の未来に向け、今から十分考え準備をしておけば必ず乗り越えられると考えており、今後はこの計画の実現に向け市政運営を進めてまいります。また、来年度は新たに外部評価の委員会を設置し、進捗等に関して評価をいただく予定でございます。

 この様にコロナ禍においても、いかに市民の皆様に最善のサービスを提供できるのか、やるべきものは何なのかを考え、可能なものについては着実に進め実現をしてまいりました。

 さて令和3年度は、アフターコロナを見据えて種をまく年にしたいと考えており、今回の予算は、コロナ禍を乗り越えリスタートする「再発進の予算」としたいと考えます。その中で特筆すべき事項として、4つを申し上げたいと思います。

 1つ目は、すでに1月から「新型コロナワクチン室」を設置しておりますが「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種」です。ワクチン接種業務を迅速かつ適切に実施する準備に入っておりますが、ワクチン接種業務は、医師会との調整や市民の皆様への案内や周知、会場の確保など多岐にわたります。全市民、当面16歳以上の方が対象となることから、これまでに実施したことの無い大規模な業務になると考えており、市役所をはじめ関係団体が一丸となって取り組むべき事業であると認識しております。

 2つ目は、いよいよ4月から始まる「住民自治協議会」です。身近な課題を自主的に解決し、地域の特性を生かした地域づくりを、地域が一体となった新しい住民自治の形でスタートいたします。超高齢社会と人口減少の中、これからの地域づくりは、行政と市民、団体が連携・協力して進めていく必要があると考えております。今後は、地区市民センターおよび地区公民館のコミュニティセンター化も視野に入れ、この住民自治協議会を中心として、更なる市民サービスの向上を図り、住みよいまちとなるように一層の取り組みを進めてまいります。

 3つ目は「超高齢社会対策」です。昨年、超高齢社会対策検討委員会からの提言にもございましたが、公共交通の再編・再構築として、超高齢社会の新たな視点に立って、まず飯高管内で、路線バスやコミュニティバスなど既存の公共交通機関だけではなく、スクールバスやスクールタクシー、福祉輸送などの輸送資源を総動員して、地域住民が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、令和3年度から2年間をかけて公共交通を見直し、新たな地域公共交通計画の策定に着手いたします。
 また、超高齢社会や2040年問題などの中で、人口減少対策としてワーケーションやサテライトオフィスなどをきっかけとして、松阪に来てもらい、そして定住にも繋げ、若者定住や労働力人口の増加を図ってまいります。

 最後は「子育ての支援」です。まず、昨年完成をしました春日保育園では、21時までの超延長保育を、また、新たに6幼稚園でも16時30分までの預かり保育を実施し、保護者の就労形態の多様化にともなう保育ニーズに対応いたします。
 「主食のご飯」については、これまで0歳児から2歳児のみで提供しておりましたが、3歳児から5歳児にも拡大し全公立保育園およびこども園で、炊き立てを提供するとともに保護者の負担軽減を図ります。
 さらに、離婚によりひとり親となった子どもへの養育費は、別居の親に支払い義務があることを認識する契機となるよう、養育費の履行確保を推進するため、取り決めに関する公正証書等の作成促進補助金および養育費保証契約の促進補助金を創設します。

 ここから、令和3年度当初予算の編成にあたっての総括的な考え方について、ご説明させていただきます。
 この予算は、今までに経験したことのない新型コロナウイルス感染拡大という特殊な状況下での予算編成となり「誰のため、何のため」を職員全体で議論し編成をいたしました。

 歳入につきまして、市税は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、主に個人・法人市民税で約20億円の減収を見込んでおります。地方交付税は、地方財政計画の伸び率を勘案すると増額となりますが、合併特例事業債の短期償還が減額となることにより、普通交付税は減額となるものと見込んでおります。
 各種譲与税、県税交付金など一般財源を構成する市税以外の財源は、経済情勢により交付額が上下するものでございますが、新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金の創設など、全体としては増額になるものと見込んでおります。
 財政調整基金繰入金については、短期償還対応分を合わせ27億5千万円となり、財政調整基金残高は、令和2年度11月補正後時点の残高約58億円余りを基本とすると、令和3年度末残高は約30億円となります。しかし、今期中に追加上程する補正予算において、財政調整基金繰入金が減額となることは確実でありますので、基金残高40億円以上は確保されると考えています。

 次に歳出ですが、深刻な財源不足に対応するため、経常経費については、過去3年間の決算額をベースに要求基準を設け、例年よりさらに厳しい配分としました。また、経常経費以外の投資的事業費等については、各施策達成度と市民意識調査の満足度・重要度の2つの指標を用いてシーリング率を設定し“選択と集中”の視点に立って編成しております。

 公債費については、短期償還は令和元年度の繰越事業にかかる分の一部を実施し、集中投資期間中の起債についてはこれで終了となります。なお、新たに合併特例事業債の借り入れにより「松阪市未来投資基金」を創設します。

 かねてより、私は「任期中の借金を増やさない」とお約束して来たところで、2期目就任時の臨時財政対策債を除いた平成30年度末残高290億円を超過することのないよう、健全な財政運営を図ることに努めているところでございます。

 それでは、令和3年度に新たに取り組む事業を中心に、総合計画に掲げる7つの政策に沿ってご説明をさせていただきます。

まず政策1の「輝く子どもたち」です。

 待機児童が多く発生している、0歳児から2歳児を専門に保育する小規模保育事業所を民間公募し待機児童の解消を目指します。

 公立保育園およびこども園におきまして、これまで家庭に持ち帰っていた「使用済み紙おむつ」を園にて回収処分を行い、保護者の負担軽減を図ります。

 子どもが欲しいと望んでいるにもかかわらず、子どもに恵まれない方に対して、経済的負担を軽減することを目的とし、一般不妊治療の保険適用外治療を対象に、5万円を上限とし費用の一部を助成いたします。

 次に、政策2の「いつまでもいきいきと」です。

 地域には、様々な複合化・複雑化した課題があり、福祉分野だけではなく、分野を超え連携した横断的な取り組みの整備が必要でありますことから、来年度はアドバイザーを交えた調査・研究を進めるとともに、その第一歩として「相談支援包括化推進員」2名の配置を行います。

 医療的ケア児への支援として、児童が利用する特別支援学校や障害児支援施設、病院が遠隔地にあり、送迎サービスの利用ができない場合に、保護者の送迎に係る交通費を助成する制度を新たに創設いたします。

 次に、政策3の「活力ある産業」です。
松阪の木を使用して、新築木造住宅を設計、建築を行う大工、工務店および建築士、また、建築主を対象に補助金を交付し、松阪産材の需要の拡大に繋げてまいります。

 東京日本橋で実施してまいりましたプロモーション事業を刷新し「松阪week in三重テラス」とし、約10日間にわたり松阪市の歴史や観光スポット、特産品の紹介等を観光交流、文化、地域ブランドの3課が共同して行うことにより、より効果の高いプロモーションを実施いたします。

 次に、政策4の「人も地域も頑張る力」です。

 昨年延期を余儀なくされました、松阪市初となるフルマラソン大会「みえ松阪マラソン2021」を、感染症対策に対応した形で開催し、スポーツを通じて地域に活力を与えるとともに、スポーツと連動したまちづくりを進めます。また、その財源の確保を目的に寄せられた寄附金を積み立てるため「みえ松阪マラソン応援基金」を創設いたします。

 「三重とこわか国体・三重とこわか大会」も、感染症等の対策を万全に整えるとともに、松阪市の魅力を全国へ発信いたします。

 「松浦武四郎記念館」のリニューアル工事に着手するとともに、
7月には北海道の「国立アイヌ民族博物館」にて、松浦武四郎に関する講演会の開催などの交流事業を行います。

 歴史民俗資料館2階に「小津安二郎松阪記念館」をオープンし、これまでの顕彰事業を充実発展させるとともに、観光資源としての価値も高めてまいります。

 次に、政策5の「安全・安心な生活」です。

 まず、五主町と松名瀬町の一部地域の、津波避難困難地域解消のため、令和3年度末の完成に向け、津波避難タワーの建設に着手いたします。また、10月第4日曜日を「松阪防災の日」と定め、防災の日を含む1週間を「松阪防災週間」とし、地域や家庭で防災について話し合っていただく機会といたします。

 「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」の被害を受けやすい65歳以上の高齢者の方を対象に、特殊詐欺等の被害防止を目的に作られた電話機などの購入に対し補助を行い、被害の発生を未然に防ぎます。
 総合雨水対策10か年戦略事業では、名古須川につきましては、引き続き県と共同で河道拡張工事を実施するとともに、百々川につきましては、支川である甚太川の護岸工事に着手いたします。また、愛宕川流域は、雨水管渠整備を継続して実施し、引き続き「床上浸水ゼロ」に向けた取り組みを行います。

 次に、政策6の「快適な生活」です。

 清掃施設や運搬車両において、火災の大きな原因となっているリチウムイオン電池への対策として、充電式小型家電を製品のまま資源物の日に回収し分解分別を行い、更なる循環型社会を推進いたします。

 空家対策として、中心市街地エリアを対象に、新たな除却補助金を創設するとともに、解体により固定資産税が増額となる分の助成金を創設いたします。

 松阪駅西地区について、松阪駅西地区複合施設基本構想に基づき、公民連携による整備を進めることから、民間事業者の公募・契約締結に至るまでの業務を委託し進めてまいります。

 昨年約10万人が来場した総合運動公園は、南側エリアにデイキャンプ場、遊歩道の整備を行い、多様化する市民ニーズに対応してまいります。また、市道根木御麻生薗線と市道東出線の2路線の改良工事に着手し、安全かつ円滑なアクセスを可能といたします。

 次に、政策7の「市民のための市役所」です。

 マイナンバーカードの取得率は、1月1日現在で31%を超えておりますが、3月からは健康保険証としての利用も開始され、今後ますます申請の増加が見込まれることから庁舎外に「マイナンバーカードセンター」を設置し、利便性の向上と普及促進に取り組んでまいります。

 手続の簡略化や業務の効率化を図るため、4月から市へ提出する申請書・届出書などの押印の省略を進めてまいります。

 昨年、市役所の障がい者雇用計画を策定し、すでに障がい者雇用の担当主幹の配置をしており、令和3年度より会計年度任用職員を中心に、障がい者雇用を進めてまいります。この計画は、障がい者雇用率を引き上げることも目的のひとつでございますが、計画の遂行で障がいのあるなしに関わらず、誰もがその能力と適性に応じて働ける市役所を目指してまいります。

 組織の枠を超え提案を募る職員提案制度では、小中学生からチャレンジを募集し支援する「羽ばたけ子どもたち!チャレンジ応援事業」をはじめ8件の提案を採択するとともに、今後も担当部局にとらわれない提案により、市民サービスの向上と事務の効率化を図ります。

 ちなみに、今回の予算におけるコロナ対策事業につきましては、確実に実施できる事業を計上しております。今般、国の第3次補正予算が成立し、各自治体への臨時交付金も明らかになってきたことから、補正予算により適切な活用を行ってまいります。

 以上、令和3年度の主な事業についての概要を申し上げましたが、来年度はウイズコロナ、アフターコロナの現状を踏まえつつ、市民の皆様の命と生活を最優先の課題として捉え取り組んでまいります。
 また、これから必ず来る更なる超高齢社会に向け、長期的な視点に立って「誰のため、何のため」という考えのもと、スピード感と知恵と工夫を凝らし、市政運営を行う所存でございます。「元気な松阪をつくるため」議員の皆様をはじめ、市民の皆様の温かいご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

令和3年2月17日

松阪市長 竹上 真人

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