ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 文化情報 > 絹本著色 梁 宇田荻邨筆

本文

絹本著色 梁 宇田荻邨筆

ページID:0108227 更新日:2021年6月2日更新 印刷ページ表示

本庁管内 市街地区
145-243
絹本著色 梁 宇田荻邨筆
(けんぽんちゃくしょく やな うだてきそんひつ)

市指定有形文化財

概要

1点/昭和8年(1933)/三重県立美術館寄託/絹本著色、額装 186.0×180.8cm/平成23年3月24日

 この作品は、昭和8年(1933)秋の第14回帝国美術展覧会に出品された作品で、宇田荻邨(1896~1980)の昭和初期を代表する作品のひとつである。荻邨がこの梁の写生のための取材に出たのは、展覧会までさほど時日の残されていない昭和8年の8月中旬のことで、滋賀県甲賀郡柏木村(現:滋賀県甲賀市)の野洲川筋でまず梁からはじめており、岐阜県多治見市や京都市の大堰川で写生を行っている。さらに9月に入ると、ふたたび野洲川の下流で梁を再度写生するとともに、鮎や川鱒の写生も行っている。
 「梁」制作のための大量の下絵類が三重県立美術館に収蔵されており、日本画の制作過程を明らかにするうえで高い資料的価値をもっている。
 この作品は、綿密な写生によって集められた素材を確かな構想力で構築しなおした作品で、写実と装飾が両立するという意味で昭和前期の荻邨の作風を象徴するものとして貴重である。

絹本著色 梁 宇田荻邨筆