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三重県宝塚一号墳出土品
(みえけんたからづかいちごうふんしゅつどひん)
国指定重要文化財
平成11年から13年にかけて実施された宝塚1号墳の発掘調査によって確認されている埴輪は、円筒埴輪のほかに楕円筒埴輪、壺形埴輪、朝顔形埴輪、蓋形(きぬがさがた)埴輪、家形埴輪、船形埴輪、囲形埴輪、盾形埴輪、靱(ゆぎ)形埴輪、冠形埴輪、甲冑形埴輪、鳥形埴輪など多彩である。
とりわけ国内最大級で、全国初の例となる立ち飾りの付く船形埴輪は、大刀(たち)、威杖(いじょう)、蓋(きぬがさ)などの威儀具が船上に立ち並ぶ。また、当時の船の構造を知る上でも貴重で、全国から注目されている。
その他、囲形埴輪3点は、囲いの中に小型の覆屋と、その内部に導水や湧水の表現をもつと考えられる土製品が見つかっており、囲形埴輪の意味と役割を示唆するものとして貴重である。また、威厳や魔よけを表わす「ひれ飾り」を付けた高床で入母屋造りの家形埴輪や、堅魚木をもつ家形埴輪などが出土している。