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本庁管内 東部地区
157-283
西方寺東都三井店絵馬
(さいほうじとうとみついだなえま)
市指定有形文化財
1点/江戸時代/清水町 西方寺/絹本著色、額装 縦69.6×横104.5cm/令和5年4月26日指定
江戸時代前期以降、松阪商人は競って江戸日本橋界隈に進出したが、その中でも三井家は斬新な商法でもって、日本屈指の豪商に成長していった。
本絵馬は、江戸駿河町の三井越後屋奉公人が、天保7年(1836年)に出身地である飯野郡清水村(現松阪市清水町)の菩提寺・西方寺(浄土宗寺院)に奉納したものである。
桧材の板額に絹本著色の駿河町三井店の風景画を貼り付けており、本紙右下に「柳文朝(やなぎぶんちょう)画」、「願主 江戸向店 飯田又四郎、同 飯田重太郎、同 太田文四郎、本店 太田友七」、額裏に「天保七丙申歳七月 飯田又四郎、飯田重太郎、太田友七、世話人太田文四郎 江戸駿河町三井店」の墨書がある。
本絵馬は、三井越後屋の江戸駿河町の三井本店と三井向店を描いたもので、作者が明らかな肉筆絵画資料の秀作である。また、奉納者、奉納年が明らかであることから、旧清水村・旧菅生村と三井店とのつながりを具体的に示し、奉公人の心情面をも伺うことのできる貴重な歴史資料である。
表面 裏面