本文
8-33
松阪市立歴史民俗資料館(旧飯南郡図書館)本館
(まつさかしりつれきしみんぞくしりょうかん(きゅういいなんぐんとしょかん)ほんかん)
国登録有形文化財
8-34
松阪市立歴史民俗資料館(旧飯南郡図書館)倉庫
(まつさかしりつれきしみんぞくしりょうかん(きゅういいなんぐんとしょかん)そうこ)
国登録有形文化財
資料館の建物は、明治43年(1910)の皇太子の飯南郡への行幸を記念して一般から寄付を募り、飯南郡図書館として建設されたもので、明治45年4月に開館した。開館当初は、本館、倉庫、新聞雑誌縦覧所の三棟があったが、新聞雑誌縦覧所は昭和初期に解体された。本館は二階建てで、伝統的な和風の意匠をもち、左右に翼部、中央に玄関が突出した左右対称の構成に特徴がある。倉庫は、本館の東に隣接して建つ二階建ての土蔵で、漆喰壁を下見板で覆い、外観の意匠を本館と合わせているが、高さを低く押さえている点が、立ちの高い本館とは対照的になっている。その後、背部を増築して松阪市立図書館として使用してきたが、昭和52年に図書館が別の場所に新築移転したため、翌年に内部改修を行い、松阪市立歴史民俗資料館として現在使用されている。
以上のように、この建物は近代における伝統的な和風建築の展開を示す一例として、貴重なものとなっている。