本文
三雲管内
97-175
那智参詣曼荼羅
(なちさんけいまんだら)
市指定有形文化財
1幅/江戸時代/曽原町 西光寺/紙本著色 掛幅装 163.3×172.2cm/平成6年8月18日
画面上方右に日輪、左に月輪を配し、その下に那智大社の社頭を描き、最下部に補陀洛山寺を描いている。那智信仰に関係ある社寺の景観が遠近や位置関係に拘わることなく巧みに構成されており、その隙間を埋めるように多数の参拝者の風俗が描かれている。
この曼荼羅には、高野聖や念仏聖、琵琶法師、川中や那智滝で水垢離をする人々が描かれていることから、大勢の参集者の前で絵解きによる布教活動を行うことを前提に製作されたものとする民衆的性格を見ることが出来る。
箱書には銘文があり、その中に制作年として正徳5年(1715)と記されている。また、本図裏面には文政5年(1822)の修理銘もある。