本文
6-22
本居宣長関係資料
(もとおりのりながかんけいしりょう)
県指定有形文化財
本居宣長とその学問を継承した春庭(はるにわ)の資料を対象とする。指定資料の主なものには、宣長の『古今集遠鏡(こきんしゅうとおかがみ)』稿本や、「てにをは違の歌・歌集の誤字」、「諸家系図」など覚書類と書簡。また春庭関係として『天明五年三月詠恋百首』等自筆の詠草類や、『詞の八衢草稿(ことばのやちまたそうこう)』、『詞の通路(かよいじ)』等の草稿本(美濃他代筆)、「春庭肖像」が含まれる。
本居春庭(1763~1828)は、宣長の長男。若い頃から父の学問を助けたが28歳の時に目を患い32歳で失明、以後は妻壱岐、妹美濃、また門人の手助けを得ながら、日本語の文法を研究した。主著『詞の八衢』、『詞の通路』は、動詞の活用表を明示し、また自動詞、他動詞について論じて、後世に大きな影響を及ぼした。写真の画像は60歳の時のもので、作者は京の絵師・疋田宇隆(ひきたうりゅう)、賛には「影ばかりうつすにあかで心をもなほかきとむる水くきの跡」(春庭詠・美濃代筆)とある。