本文
木造薬師如来坐像(もくぞうやくしにょらいざぞう) 〔薬師寺〕
・種別:彫刻
・員数:1躯
・時代:平安
・指定日:昭和61年(1986)4月28日
・所在地:船江町(薬師寺)
・所有者等:薬師寺
・備考:像高83cm、桧材、一木造
薬師寺の本尊です。左手を軽く膝上に置き薬壺(やっこ)を奉じます。左前膊(ぜんぱく)(肩から手首)および右上膊(じょうはく)を含む体幹部の大半を一材から彫出し、右前膊、膝前材他若干の材を矧(は)ぎます。内刳(うちぐり)を施し上下二材からなる背板を当てます。
前面に張り出してくる迫るような堂々とした、等身以上の大きさを感じさせる像です。このように量感への志向の強い像ではありますが、その一方で大衣(だいえ)の右肩から胸にかけての折り返し部には、軽やかなうねりを持たせるなど、鈍重に陥らない工夫が見られます。ただし、粘りのある重厚な線で構成されている衣文(えもん)は鋭いものではなく、全体として重厚さへの志向が強く現れます。制作時期は9世紀後半から10世紀前半と考えられます。
