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本庁管内 北部地区
49-92
木造地蔵菩薩立像
(もくぞうじぞうぼさつりゅうぞう)
市指定有形文化財
1躯/鎌倉時代/船江町 薬師寺/像高81cm、檜材、寄木造/昭和27年1月26日
左手に宝珠(ほうじゅ)、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つ通形の地蔵菩薩立像である。頭部および前面体幹部材を除く大半が後補となるが、当初部分はおだやかで平明な作風をもち、平安時代後期の秀作である。なお、現状では口を開き、歯を見せる「歯吹き」の相を示すが、これは後補である。厨子(ずし)に安永4年(1775)の修理墨書銘があり、あるいはこのときの修理かと思われる。本像はもと地蔵堂の本尊で、子安地蔵として近在の信仰を集めていたようである。