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飯南管内
109-188
木造不動明王立像
(もくぞうふどうみょうおうりゅうぞう)
県指定有形文化財
1躯/平安時代/飯南町下仁柿 両泉寺/像高157cm、檜材、寄木造/平成11年3月17日
10世紀後半以降に流布する、玄朝様図像による不動明王像。大振りの焔髪際を表し、弁髪を左に垂らす。眼は、左眼を半眼に開いた、いわゆる天地眼。牙は上下に出る。右手に宝剣を執り、左手は垂らして絹索(現在は失われている)を執る。条帛・裳を着け、腰布を巻く。火焔光を負い、両足を開いて、岩座に立つ。左肩、光背などに後補部分があるが、力量感あふれた秀作である。
構造や形状、衣の彫りは、大阪・滝谷寺の不動明王像(1094年)と多くの共通点をもつ。また、たくましい体躯や、巻き髪の表現は、京都・峰定寺像(1154年)に近いことから、平安後期の作とみられる。