本文
16-52
木造阿弥陀如来立像
(もくぞうあみだにょらいりゅうぞう)
市指定有形文化財
切れ長な目をあらわし、鼻口は小さく造る。やや張った肩や薄く階調美しく整えた衣文など鎌倉時代に遡る像である。左脇にアクセントをもつ衣文処理には、慶派(けいは)との関係で、とくに注目される。肉髻(にっけい)、地髪(じはつ)を多少低くつくり、荒めの螺髪(らほつ)とともに宋風を基とした当時の流行の断片が垣間見られる。
もとは笹川町字只越の地蔵堂に安置されていたが、明治末の廃寺の際、個人蔵となり、最近、常教寺に施入された。