本文
市内全域・地域を定めず
松阪木綿の紡織習俗
(まつさかもめんのぼうしょくしゅうぞく)
国記録選択(記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財)
市内全域/昭和56年11月24日選択
木綿は繊維の質が良く、加工が容易で染色にも適したことから、江戸時代に綿作が広がると、従来の麻などの天然繊維を原材料とする衣料に取って替わって普及した。明治年間になり、綿糸・綿織物の工場生産が盛んになると木綿織物はますます普及したが、その反面、各地の手織木綿の紡織は急速に衰微した。
松阪地方は、江戸時代から木綿織の中心地の一つとして知られ、また、木綿織物の流通販売が盛んとなり、江戸等に店を持つ商人を多く輩出したところである。近代以降も、綿の栽培、綿繰り、染め、織りといった伝統的な手織木綿の紡織習俗を遅くまで残してきたことから、国によって選択され、記録が作成された。