本文
嬉野管内
141-238
一志村文禄三年検地帳 附 勝野兵衛書状写・矢野清観覚書写
(いちしむらぶんろくさんねんけんちちょう つけたり かつのひょうえしょじょううつし・やのせいかんおぼえがきうつし)
市指定有形文化財
文禄3年(1594)7月から10月にかけて、伊勢国でも太閤検地が行われた。本文書は7人の検地奉行の一人一柳可遊が奉行した一志郡一志村の検地帳である。従来、一志村の文禄検地帳は写しのみ知られてきたが、本文書はその原本である。
附属品として、文禄3年8月25日付け矢野清観宛て勝野兵衛書状写しと、同年9月朔日付けの矢野清観覚書がある。勝野兵衛は一柳可遊の内者で、当検地の検地役人である。何れも写しながら本文書伝来の経緯を示している。
伊勢国内の文禄検地帳は、写しを含め、現在247点確認されている。しかし原本はその1割にも満たず、特に一柳可遊が奉行した検地帳の原本は、本文書を含め2点のみの残存となっており、貴重な事例と言える。