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嬉野管内
85-163
片野池古墳群
(かたのいけこふんぐん)
市指定史跡
片野池古墳群は嬉野天花寺町の標高40m前後の丘陵上に位置する古墳群である。古墳群は、丘陵上に築かれた灌漑用溜池の西側に位置する丘陵頂部にあり、大型円墳の1号墳・2号墳と、小型円墳である3号墳・4号墳の4基の古墳が確認されている。1・2号墳は5世紀前半、3・4号墳は5世紀後半の築造と推定される。この内2号墳と4号墳は昭和61年に発掘調査が実施された。1号墳は当古墳群中、丘陵の最高所である標高46mに所在する。測量調査では、全長40m程度の帆立貝式(ほたてがいしき)の古墳である可能性も想定されている。古墳の外表には拳大(こぶしだい)の河原石で葺石(ふきいし)が施されている。
昭和61年に調査された2号墳は、西半部は土取りによって半壊しているが、墳丘規模は径35m、高さ5mと推定される。墳丘外表には葺石が施され、墳頂部に埴輪が巡っていたと考えられる。埋葬施設は割竹形木棺直葬(わりたけがたもっかんじきそう)と考えられるが、埋葬施設内からは棗玉(なつめだま)1個が確認されたのみである。
3号墳は、1号墳の北東に派生する標高40m前後の丘陵の尾根南端に位置する古墳である。試掘調査では、墳頂部に埋葬施設が確認されている。墳丘規模の詳細は不明であるが、径14m程度の円墳であると推定される。
4号墳は、墓壙3基が確認されたことから古墳と判明したもので、径15m程度と推定される。