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嬉野管内
86-164
釜生田辻垣内瓦窯跡群
(かもだつじがいとがようあとぐん)
市指定史跡
中村川左岸の標高38mの河岸段丘上斜面に位置する瓦窯跡群である。昭和59年に発掘調査が行われ、7世紀後半代のあな窯3基と8世紀後半代のロストル窯2基が確認されている。その内であな窯2基と平窯(ひらがま)1基が発掘調査されている。あな窯の内、2号窯跡からは鴟尾(しび)3個体分の遺物が確認されており、鴟尾焼成用の窯と考えられている。
鴟尾が出土した2号窯は、南に急傾斜する丘陵斜面及び頂部平担面を利用し築かれ、たき口は南斜面にほぼ直交している。規模は残存長6月8日m、幅1月2日mを測る、半地下式のあな窯である。側壁・床面にスサ入り粘土を張り付けて構築される。
窯跡からは複弁八葉軒丸瓦(ふくべんはちようのきまるがわら)(川原寺式)や複線鋸歯文複弁七葉軒丸瓦(ふくせんきょしもんふくべんしちようのきまるがわら)(一志廃寺式)などが確認されており、旧一志郡内の古代寺院造営の状況が分かる窯跡である。