本文
2-6
旧松坂御城番長屋 東棟 西棟
(きゅうまつざかごじょうばんながや ひがしとう にしとう)
国指定重要文化財
2-7
御城番屋敷 土蔵
(ごじょうばんやしき どぞう)
県指定有形文化財
松坂御城番、紀州藩士(40石(こく)取り)20人とその家族が住んだ組屋敷で、文久3年(1863)に建築された。市道を挟んで並び立つ東西2棟の主屋(しゅおく)からなり、周囲には槇垣(まきがき)が巡る。主屋は、平屋建、桟瓦葺(さんがわらぶき)で、各戸は間口5間、奥行5間を標準とし、これが東棟に10戸、西棟に9戸分連なる。当初は、東西合わせて20戸あったが、明治35年、三重県立工業学校創設当時、西棟の北端2戸が仮教室として使用された後、1戸が切り詰められた。各戸の平面は、向かって右手を1間幅の土間とし、左手には田の字型に8畳2間、6畳2間を配し、式台(しきだい)を構える。市道に面する表側には前庭を設け、裏側には幅1間の角屋(つのや)が付く。
屋敷は現在も子孫の方々により維持管理され、整然と住まわれている、全国的にも類例の少ない武士の組屋敷である。松阪市では、1戸分を借用して復元整備し、平成2年4月より一般公開している。