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三基幹病院における選定療養費について
三基幹病院等におけるモニタリング結果等(令和6年10月25日)
令和6年6月1日に開始した三基幹病院〔松阪中央総合病院・済生会松阪総合病院・松阪市民病院〕(以下、三病院とする)における、救急搬送時の選定療養費運用について、令和6年6月1日~8月31日の期間(3か月間)のモニタリング結果を報告します。
一次二次救急医療体制あり方検討について(第二次報告) [PDFファイル/1.65MB]
この度の三病院における救急搬送時の選定療養費の取組は、「取組開始時期」というインパクトに加え、「3か月間(令和6年6月から8月)という限られたモニタリング期間である」という前提ではありますが、以下の結果が得られました。
■救急搬送され、入院しなかった方(帰宅者)の割合減少
・救急車で三病院に搬送された3,749人のうち、「帰宅者(入院しなかった方)」は、54.8%(2,056人)でした。令和4年4 月~6月の調査と比較し、帰宅者率は、3.8%減少(R4:58.6%→R6:54.8%)しました。
■年代別の救急搬送割合は、変化なし
・救急車で三病院に搬送された3,749人の「年代(別)」は、乳幼児4.5%(169人)、少年4.1%(152人)、成人 28.4%(1,063人)、高齢者63.1%(2,365人)であり、うち、「選定療養費を徴収した方(278人)」は、乳幼児18.3%(51人)、少年9.4%(26人)、成人31.3%(87人)、高齢者41.0%(114人)でした。
■選定療養費を徴収した方7.4%の医師の判断結果
・「選定療養費を徴収した方7.4%(278人)」の「傷病別内訳」で多いものは、疼痛24人、打撲傷21人、熱中症・脱水症21人、COVID-19 16人、めまい15人、胃腸炎・食道炎等15人でした。
■救急出動件数、救急搬送件数が、2割減少
・「救急出動件数」は、前年同期と比較し、3,604件で21.9%(1,013件)の減少(R5:4,617件→R6:3,604件)、「救急搬送件数」は、3,407件で23.2%(1,032件)の減少(R5:4,439件→R6:3,407件)となりました。
■救急搬送者の軽症者率が、6.5%減少
・「傷病程度別の救急搬送(速報値)」は、前年同期と比較し、軽症者率が6.5%減少(R5:59.4%→R6:52.9%)し、中等症者率が5.8%増加(R5:37.0%→R6:42.8%)しました。
■1日50件以上救急出動があった日が、8割減少
・「1日に50件以上救急出動があった日数」は、10日で、前年同期と比較し、37日減(R5:47日→R6:10日、78.7%減)で、救急車の出動要請が重なる事態が減少しました。
■休日・夜間応急診療所の内科患者が、7割増加
・「松阪市休日・夜間応急診療所の内科を受診した患者数」は、994人で、前年同期と比較し、403人増加(68.2%増)しました。
■救急相談ダイヤルの利用者が、4割増加
・「松阪地区救急相談ダイヤル24の相談件数」は、7,969件で、前年同期と比較し、2,390件増加(42.8%増)しました。
以上のような結果等から、医療機関の適正受診に繋がる状況が確認でき、今回の取組は、「一次二次救急医療の機能分担」、ひいては、「救急車の出動件数の減少」等、持続可能な松阪地区の救急医療体制の整備に一定の寄与が確認できたのではないかと捉えています。
今後におきましても、市民の健康や命を守り、安心して医療を受けられるよう、三基幹病院、松阪地区医師会、松阪地区広域消防組合、松阪市、多気郡3町において、引き続き追跡調査を行い、持続可能な松阪地区の救急医療体制のあり方について、関係機関で連携し、協議等を継続していきます。
※ 本件につきましては三基幹病院への直接の問い合わせは行わないでください。
三基幹病院の救急搬送における選定療養費の運用
松阪地区において、病院と地域の医院・診療所等の機能分担の推進と地域の救急医療を守るため、令和6年6月1日(土曜日)から救急車で搬送された際にも、三基幹病院(松阪中央総合病院、済生会松阪総合病院、松阪市民病院。以下「三病院」)において以下の対応を行っています。
開始時期 | 令和6年6月1日(土曜日)午前8時30分以降 |
実施病院 | 松阪中央総合病院・済生会松阪総合病院・松阪市民病院 |
対 応 |
上記の三病院では、初診時に紹介状なしで受診された際に選定療養費が必要となります。 |
料 金 | 7,700円(税込)/件(人) |
【選定療養費とは】
平成28年4月の健康保険法の改正により、地域医療を支える大きな病院を、かかりつけ医療機関等の紹介状がなく受診した際に、通常の自己負担分に上乗せして保険外費用(特別の料金)を徴収することが義務化されています。
医療機関は、その機能と規模によってその地域で担う役割が異なっています。たとえば、地域の医院や診療所等のかかりつけ医では、がんや心筋梗塞等の手術はできません。
どのような症状なら大きな病院を受診すべきか、また、どのような症状なら地域の医院・診療所等で対応可能なのか、自己判断できず迷うケースも現実問題として存在します。
そうした場合に、「心配だからとりあえず三病院に行こう」ではなく、「まずは、かかりつけ医や地域の医院・診療所等へ」そして「かかりつけ医が必要と判断した場合は三病院へ紹介」という機能分担・相互連携を行うことが、この選定療養の制度です。
※松阪市休日・夜間応急診療所や地域の診療所の診療時間外、対応診療科以外の受診を希望する場合や救急相談の際には、下記のリンク先をご参照ください。