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予防接種(子ども):五種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)
病気の説明
ジフテリア
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
予防接種の普及により現在の日本では流行していませんが、感染しても症状が出ない方(保菌者)から感染する可能性があります。おもに、のどや鼻の粘膜がおかされ、高熱・のどの痛み・犬がほえるようなせき・嘔吐などの症状が出ます。
重症化すると、のどや気管が赤く腫れて気管が狭くなるため、呼吸困難を起こし、窒息死することや、心筋障がいや神経まひを起こすことがあります。
百日せき
百日せき菌の飛沫感染で起こります。
予防接種の普及により乳幼児の患者数は減少しましたが、近年では若い世代の人が感染する例がみられます。かぜのような症状からはじまり、顔を赤くし、笛を吹くような音で呼吸しながら連続的にせき込むようになります。
通常、熱は出ませんが、せきのために呼吸ができず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)、けいれんを起こすことがあります。重症化すると、肺炎や脳症などの重い合併症を起こすことや、乳児では命を落とすことがあります。
破傷風
土の中の破傷風菌が傷口から体内に入ることで感染します。ヒトからヒトへは感染しません。
感染の機会は常にあります。患者の半数は、本人や周りの人では気が付かない程度の軽い刺し傷が原因です。
菌が体の中で増えると、口が開かなくなるなどの症状があらわれ、やがて全身のけいれんを起こします。治療が難しいため、ワクチンによる予防が重要です。
また、お母さんが抵抗力(免疫)をもっていれば、出産時に赤ちゃんが破傷風にかかるのを防ぐことができます。
ポリオ
ポリオウイルスが人の口の中に入り、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。多くの場合、感染しても病気としての明らかな症状はあらわれませんが、ウイルスが脊髄(せきずい)の一部に入り込み、主に手や足に麻痺(まひ)が残る場合があります。海外からウイルスが国内に入ってくる可能性があるため、ポリオに対する免疫を持つ人の割合が減ると、日本国内でも流行する危険があります。
ヒブによる細菌性髄膜炎(ずいまくえん)
髄膜炎は、脳や脊髄を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが感染することにより起こる病気です。おもな初期症状は、発熱・嘔吐・不機嫌・けいれんなどで、かぜなどのほかの病気の症状と似ています。
乳幼児の細菌性髄膜炎の原因の半分以上を占めているのが、ヒブ(インフルエンザb型)と呼ばれる細菌です。インフルエンザという名前ですが、冬に流行するインフルエンザ(流行性感冒)とは、まったく別のものです。
ヒブは乳幼児期に感染しても抗体(免疫)ができず、繰り返し感染することがあります。ヒブによる細菌性髄膜炎は、特に生後3か月から2歳までがかかりやすく、発症すると1か月程度の入院が必要になります。
死亡や後遺症の可能性があり、また、肺炎・喉頭蓋炎(のどの奥の炎症。空気の通り道が狭くなり窒息することもある)・敗血症(血液中に細菌が入って全身に回り、臓器の障がいがおこることがある。)などの重篤な全身感染症を起こす可能性があります。近年、抗生物質の効かない菌(耐性菌)が増えており、治療が難しくなってきています。
五種混合ワクチン(第1期)
令和6年4月から新しく定期接種として無料で接種できるようになりました。
従来のワクチンである四種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオワクチン)にヒブワクチンが追加されたワクチンです。従来のワクチンを使用すると合計8回の接種が必要でしたが、五種混合ワクチンを使用すると合計4回の接種で完了できます。
すでに四種混合ワクチンおよびヒブワクチンを接種した方は、原則として同じワクチンを用いて接種を完了しますが、四種混合ワクチンの販売終了などのやむを得ない理由により同じワクチンで定期接種を完了できない場合は、五種混合ワクチンに切り替えて提起接種を完了しても差し支えありません。
対象年齢
生後2か月以上7歳6か月未満です。
第1期 初回
※以下は令和6年3月21日時点で見込まれている標準的な接種時期です。
生後2か月から7か月になるまでに接種を開始します。
20日~56日の間隔で3回接種します。
第1期 追加
※以下は令和6年3月21日時点で見込まれている標準的な接種時期です。
接種が望ましい時期は初回接種完了後、6か月~18か月に達するまでです
第1期初回完了後、1回接種します。
予診票について
令和6年4月1日以降に妊娠届を提出された方にはお渡しした「松阪市定期接種予診票(黄緑色の冊子)」は五種混合ワクチンの予診票が綴ってあります。
令和6年3月31日以前に妊娠届を提出された方にはお渡しした「松阪市定期接種予診票(黄緑色の冊子)」は四種混合ワクチンとヒブワクチンの予診票が綴ってあります。
出生日が令和6年2月1日以降の方で、四種混合ワクチンとヒブワクチンの予診票をお渡ししている方には出生月の翌月中下旬ごろに五種混合ワクチンの予診票を郵送でお届けします。出生日が令和6年1月31日以前の方でまだ四種混合ワクチンとヒブワクチンを接種していない方は五種混合ワクチンを接種できますので、下記の申出フォームまでご連絡ください。五種混合ワクチンの予診票を郵送でお届けします。
予診票希望者申出フォーム
四種混合ワクチンについて
対象年齢
2か月以上7歳6か月未満です。
第1期 初回
接種が望ましい年齢は生後2か月以上1歳未満です。
20日~56日の間隔で3回接種します。
第1期 追加
接種が望ましい年齢は初回接種終了後、12か月~18か月に達するまでです。
第1期初回完了後、1回接種します。
ヒブワクチンについて
対象年齢
生後2か月以上5歳未満です。
第1期 初回
生後2か月から7か月になるまでに接種を開始します。
27日~56日の間隔で3回接種します。
第1期 追加
接種が望ましい時期は初回接種完了後、7か月~13か月です。
第1期初回完了後、1回接種します。
その他の接種スケジュール
ヒブワクチンは生後7か月までに接種を開始できなかった場合は、年齢に応じて次のように接種します。
1回目の接種が生後7か月以上12か月未満の場合
27日~56日の間隔で初回免疫を2回、初回完了後7か月~13か月あけて、追加免疫を1回、計3回接種します。
1回目の接種が1歳以上5歳未満の場合
1回接種します。