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平成19年度課税分から適用される主な税制改正について
平成18年度以前の税制改正のうち、平成19年度課税分から適用された住民税の主な改正点をお知らせします。
税源移譲に伴う税率構造の改正
住民税の所得割についてこれまで所得に応じて定められていた税率が一律10%となりました。(下表のとおり)
住民税
課税所得の段階 | 市民税率 | 速算控除 | 県民税率 | 速算控除 |
---|---|---|---|---|
200万円以下 | 3% | 0円 | 2% | 0円 |
700万円以下 | 8% | 100,000円 | ||
700万円 超 | 10% | 240,000円 | 3% | 70,000円 |
↓
課税所得の段階 | 市民税率 | 県民税率 |
---|---|---|
一律 | 6% | 4% |
《参考》 所得税
課税所得の段階 | 税率 | 速算控除 |
---|---|---|
330万円以下 | 10% | 0円 |
900万円以下 | 20% | 330,000円 |
1,800万円以下 | 30% | 1,230,000円 |
1,800万円 超 | 37% | 2,490,000円 |
↓
課税所得の段階 | 税率 | 速算控除 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
330万円以下 | 10% | 97,500円 |
695万円以下 | 20% | 427,500円 |
900万円以下 | 23% | 636,000円 |
1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円 超 | 40% | 2,796,000円 |
退職所得の課税の特例
税率構造の改正に伴い、退職所得に係る特別徴収税額表も廃止されたため、平成19年1月1日以降に退職された方については一律10%(市民税6% 県民税4%)の税率が適用されることとなります。(退職所得については平成19年1月1日適用)
退職手当等に係る住民税の所得割は、退職手当等の支払いを受けるときに特別徴収されます。
税額計算の流れ
退職所得の金額 (注1) | 税率 | 税額(控除前) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
× |
市民税 | 県民税 | = | 市民税額 | 県民税額 | |
6% | 4% | (A) | (B) |
(注1) 退職所得の金額に1,000円未満の端数がある場合は、1,000円未満の金額を切り捨てます。
税額(控除前) | 控除額 | 退職所得に係る所得割額 (注2) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
市民税額 | 県民税額 |
- |
(A)×10% | (B)×10% | = | 市民税額 | 県民税額 |
(A) | (B) | (C) | (D) | (A)-(C) | (B)-(D) |
(注2)市民税・県民税それぞれの所得割額に100円未満の端数がある場合は、100円未満の金額を切り捨てます。
退職所得の金額の算出方法
退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2 (1,000円未満の端数は切り捨て)
※退職所得控除額は下記の表より求めます。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
(イ)勤続年数が20年以下の場合 | 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
(ロ)勤続年数が20年超の場合 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
(ハ)障害退職の場合 | (イ)又は(ロ)による金額+100万円 |
※勤続年数に1年未満の端数がある場合は、1年に切り上げます。
人的控除額の差に基づく負担増の減額措置
配偶者・扶養・障害者・基礎等の人的控除は住民税と所得税では差があります。したがって同じ収入金額でも住民税の課税所得金額は、所得税より多くなってしまいます。この人的控除の差に基づく負担増を調整する減額措置が講じられます。この減額措置を調整控除といいます。
65歳以上の方に対する非課税措置の廃止
平成17年1月1日において年齢が65歳以上に達していた方のうち、前年の合計所得金額が125万円以下である方に対する非課税措置が段階的に廃止されることになりました。(⇒平成18年度から段階的に適用されています。)
年度 | 措置の概要 |
---|---|
平成18年度 | 住民税額の3分の2を減額 |
平成19年度 | 住民税額の3分の1を減額 |
平成20年度 | 減額措置を廃止 |
定率減税の廃止
住民税の所得割額の定率減税(平成18年度:7.5%相当額、上限2万円)が廃止されます。
分離課税等の税率割合
分離課税等に係る市と県の税率割合が変わります。変わるのは税率の割合のみで、個人市民税・県民税の合計の税率は変わりません。
区分 | 改正前 | 改正後 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
市民税 | 県民税 | 市民税 | 県民税 | ||||
分 離 課 税 |
長期 譲渡 |
一般の土地、建物等の譲渡所得 | 3.4% | 1.6% | 3.0% | 2.0% | |
優良住宅地の造成等 のための譲渡所得 |
譲渡益2,000万円以下の部分 | 2.7% | 1.3% | 2.4% | 1.6% | ||
譲渡益2,000万円超の部分 | 3.4% | 1.6% | 3.0% | 2.0% | |||
居住用財産の譲渡所得 | 譲渡益6,000万円以下の部分 | 2.7% | 1.3% | 2.4% | 1.6% | ||
譲渡益6,000万円超の部分 | 3.4% | 1.6% | 3.0% | 2.0% | |||
短期 譲渡 |
一般の土地、建物等の譲渡所得 | 6.0% | 3.0% | 5.4% | 3.6% | ||
国、地方公共団体への譲渡所得 | 3.4% | 1.6% | 3.0% | 2.0% | |||
株式等に係る譲渡所得等 | 3.4% | 1.6% | 3.0% | 2.0% | |||
上場株式等に係る譲渡所得等 | 優遇税率(注3) | 2.0% | 1.0% | 1.8% | 1.2% | ||
先物取引に係る雑所得等 | 3.4% | 1.6% | 3.0% | 2.0% | |||
肉用牛の売却による農業所得 | 1.0% | 0.5% | 0.9% | 0.6% | |||
税 額 控 除 額 |
配当 控除 |
利益の配当等 |
課税総所得金額 |
2.0% | 0.8% | 1.6% | 1.2% |
課税総所得金額 1,000万円超の部分 |
1.0% | 0.4% | 0.8% | 0.6% | |||
外貨建等証券投資信託 | 課税総所得金額 1,000万円以下の部分 |
0.5% | 0.2% | 0.4% | 0.3% | ||
課税総所得金額 1,000万円超の部分 |
0.25% | 0.1% | 0.2% | 0.15% | |||
外貨建等証券投資信託 以外 |
課税総所得金額 1,000万円以下の部分 |
1.0% | 0.4% | 0.8% | 0.6% | ||
課税総所得金額 1,000万円超の部分 |
0.5% | 0.2% | 0.4% | 0.3% |
(注3) 平成20年12月31日までの間は優遇税率が適用されます。
※ 他にも外国税額控除における控除額限度額などがあります。
山林所得の5分5乗課税、変動所得及び臨時所得の平均課税の廃止
税源移譲に伴って、税率が一律10%とされたことにより、累進税率の緩和を前提とした規定である山林所得の5分5乗課税並びに変動所得及び臨時所得の平均課税が廃止されます。
所得税については、累進課税となっているので、山林所得の5分5乗課税並びに変動所得及び臨時所得の平均課税の制度は廃止されることなく、そのまま残ります。