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まつさか若者クラブ 3rd season 4回

ページID:0115578 更新日:2021年11月18日更新 印刷ページ表示

若者クラブ3rd 第4回 令和3年11月18日

登壇者

永野勤一さん(ライフステージ)
吉住岳人さん(第四包括支援センター)

内容(要旨)

トークセッション

〔永野さん〕
―自己紹介―
父の代から続く保険代理店を経営している。自宅兼事務所だったため子どものころから電話番や、事故現場にも赴き証拠写真を撮影していた。大変な仕事と理解しながらも困った人を助けられる仕事だと思い、保険の仕事をしようと決心した。

―福祉に関する保険は元々取り扱いをされていたのでしょうか―
私の代から取り扱いを始めました。
学生時代に親族が施設に入所しており、施設の人にお世話になったという原風景があり、福祉のことに関わりたいという気持ちがあったことと、保険とは困っている人を助けるものという思から、福祉施設の利用者や従業員の入ることのできる保険を取り扱うようにしました。

―実際に現場に入ることも多いのでしょうか―
よくあります。例えば、日常生活自立支援事業という社会福祉協議会で実施している事業において社会福祉協議会の職員さんと一緒に利用者さんへ説明にいくこともあります。
また、施設において保険を利用するような出来事が起こった際には実際に現場で話を聞くことはよくあります。

―今、福祉の現場にいかれて感じることはありますか―
人間関係がドライになっているような気がします。利用者さんが施設に入るさいに身元引受人がいるのですが、少し前までは親族が身元引受人となっていることが多かったのですが、最近は引き受け手がなく、ある施設ではその施設の施設長が代理で身元引受人となることもありました。
後、人手が不足していると感じます。特に松阪以南ではそれが顕著です。
そのため、福祉施設で働く人が多様化していると思います。例えば同じ施設で20代と70代、そして外国籍の人が同じ立場で働いていることがあります。必要にかられて、という面も多分にありますが多様な価値観の働き手が働いていることは、利用者さんにもプラスになる側面があると思います。

あと、個人的な感覚なのですが、科学的なアプローチで福祉分野にアプローチする事業者が出てきていると思います。難しいのですが、福祉の事業者は今までの体験の積み重ねでアプローチしているところが多いように思っています。介護や福祉といった業界が人のお世話をするという視点から始まっているように思います。
私の知っているある事業所では要介護4の方が科学的なアプローチで介護度が下がり、自立した生活をおくることができるようになった利用者さんがいます。
全ての施設がすぐにそのようになるとは思いませんが、今まであまり取り入れられていなかった多面的なアプローチが今後も進んでいくのではないかと考えています。

―今後、どのような展望を考えていますか―
今もしているのですが、保険が必要となるときは現場にトラブルが起きたときです。そのトラブルを集約して、現場に還元しています。困りごとが起こってから助けることが従来の保険の役割でしたが、できるだけ困りごとが発生しないようにすることができればと思っています。
以前から還元の方法の一つとしてオンラインの相談を受け付けていたのですが、コロナ禍になってから相談の問い合わせが増えています。
今後は困りごとを解決する保険の仕事と、それが事前に起こらないように行う研修のようなことを合わせて実施していきたいと考えています。

〔吉住さん〕
―自己紹介―
三重高校→日大で音楽を学ぶ、卒業後音楽療法の専門学校に通う。
現在の仕事は高齢者向けの事業をしている。生活の困りごと、健康についての問題。身内が近くにいない支援が受けられない人の相談。詐欺など消費者被害予防の指導。仕事を通して人との結びつきを大切としている。

―どのように音楽を福祉にいかしていたのか―
26歳まで作曲の勉強をしていた。その後、2年間音楽療法の学校へ通う。
四日市で音楽療法士として仕事に就く。
昭和30~40年代の流行歌を歌い、コミュニケーションをとり、その頃の思い出をよみがえらせ話を盛り上げることなどをしていた。(回想法というもの)
コロナ前は公民館などで音楽交えながらの講演をしていた。
松阪市でも介護予防のDVDを作るときに携わった。

―音楽療法の広まりはあるのか―
公的な保険の適用がないため専門職としては認められていない。施設の運営側の考えで音楽やアートを重視するなど独自の取り組みをしている施設はある。講師派遣に音楽療法士の予算が挙げてあったりする。

―現場の実態は― 一口に福祉といっても様々な業務がある。例えば、介護の現場では足腰や体力面での身体的な負担がかなり重く、慢性的な人材不足となっている。
相談業務の場合などは、制度の狭間で困っている人の相談に乗った時などは答えがないので精神的にかなりの重圧になることがある。
介護保険や高齢者支援の法律などが利用できず、親族などからの支援がなく孤立している方の相談などは解決方法がない時もある。
そのような問題に直面したとき、相談者さんが一番困難な時期を切り抜けて、少し心に余裕が戻ってきたときなどはやりがいを感じる。
制度(サービス)の案内はもちろんだが、それだけではなく関係者、行政や地域住民などとしっかりと関係をつくり、人との関わりを通して問題に対応していくことが、とても大事なことだと感じている。

―今の仕組みでの限界は―
地域包括支援センターでは65歳以上の人を支援するが、そればかりしていればよいかと問われると、そうではないという思いがある。
例えば、ペット好きの高齢者がいたら本人に対しての支援をつなぐことはできるが、残されたペットはどうなるのか。
引きこもりの家族を抱えている場合、その引きこもりの子や孫はどう支援するのか。
制度の狭間にいて支援できない人がいることについて悩ましい。

―今の現場の状況ややりがいなどを聞かせていただきましたが、今後この業界はどのようになっていくと思いますか―
社会福祉法が変わり、令和4年から大きく流れが変わってくると思う。
たとえば、地域包括支援センターでは主に65歳以上の方を対象に支援をしているが、障害のある方は障害福祉、児童の支援は児童福祉のそれぞれ違う組織が別個に支援しているのが現状。
今後は、まず大きな窓口で複合的に支援をしていくことになる。
福祉の問題は制度の狭間の問題やや困りごとが複合的に絡み合っている場合多くあることから、幅広い相談にのっていく必要がでてくる。
総合的な知識のある福祉の専門職の重要性がこれまで以上に高まっていく。
また、対応すべき困りごとが多様になっていくことが想定されます。音楽療法もそうですが色々な解決のツールが必要とされていくと思う。
おそらく今までの福祉の流れとは大きく変わりますが、福祉の基本は人と人との関係性であり、それは変わらないと思う。

―最後にこれから福祉に関わっていく人に対してなにかアドバイスをいただければと思います。―
学校で学ぶことも大事だが、色々な人と会って多様な価値に触れることが本当に大事になっていくと思う。あとは、仕事だけでなくしっかりと自分の趣味などをもち自身に幅をもたせることが大事。

ブレイクアウトルームでの内容

〔永野さんに対しての質問など〕
―障がい者向けの保険はあまり知られていないか?―
テレビでCMしているわけでもないのであまり知られていないが宣伝経費がそこまでかからないので掛け金も安い。障がい者の人は一般に収入が少ないため入りやすくなっている。

―等級のようなものがあるか?―
事故がある施設だと掛け金が変わることもある。

―どのような保険に入るべきなのか非常に難しいと思うが・・・―
リスクマネジメントについて考えることが保険であると思っている。目標を達成する不確かさに目を向けること。
例えば旅をするときは事前に公共交通機関や宿泊を予約しておく。天気予報をみて傘を持っていこうか考えることがリスクマネジメント。こういった考えから保険の大切さを伝える。

〔吉住さんに対しての質問など〕
―集団で歌ったりするのが苦手な人にはどうしているのか―
個別に対応する場合は何百曲も掲載されている本があるのでそこで一緒に歌える曲を探す。以前はクラシックが一番いいと考えていたが、いろんなジャンルに携わらないと対応できないため今ではどの曲も位置づけは同じ。

参加者の感想

  • 音楽療法の話が良かった。福祉というのは未来のある分野でもあると思った。
  • 音楽療法を初めて知り、福祉と組み合わせることが新たな発見であった。

所感

自治体毎において、福祉施策にも大きく特徴が違うという話があった。これらについて比較分析することにより効果的な福祉施策の実施や、松阪市をプロモーションする際より効果的なものとなる可能性がある。なお、登壇者からは松阪市は認知症の対策に力が入っていると感じるとの言があった。


まつさか若者クラブ
1st season(平成29年度)
2nd season(平成30年度)
3rd season(令和3年度)
SDGs×松阪市 オンライン講演会(令和4年度)
松阪未来対談