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高温に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について

印刷用ページを表示する掲載日:2021年6月14日更新

高温に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について

 気象庁発表の「1か月予報(令和3年6月10日)」によると、暖かい空気に覆われやすい時期があるため、向こう1か月の気温は、北日本と沖縄・奄美では高く、東・西日本では平年並か高い見込みとなっており、農作物の生育等への影響が懸念されるところです。
 このため、高温に対応した農作物等の被害防止に向けた技術指導については、「農業技術の基本指針(令和3年改定)」(注)を踏まえるとともに、作業者の安全確保を最優先に、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止にも十分配慮しつつ、下記について各地域の状況に応じた適切な対応が行われるよう、対策の実施をお願いします。

(注)農業技術の基本指針(令和3年改定)
   農林水産省ホームページ公表
   https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_kihon_sisin/r3sisin.html<外部リンク>

【共通事項】
(栽培管理全般)
1.高温が続くことにより、農作物の生育ステージの急激な前進が想定される場合は、農作業計画の適切な見直しや農業資材等の確保に留意する。また、都道府県病害虫防除所の病害虫発生予察情報の収集に努める。

(農業用水確保)
2.農業用水の確保のため、関係機関との調整を図り、計画的な配水が行われるよう措置する。

(熱中症対策)
3.暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛ける。特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、気がつかないうちに熱中症になる可能性があるため単独での作業を避け、定期的に異常がないか巡回を行うなど、効果的な対策を行う。また、熱中症予防に関する情報「熱中症警戒アラート」の通知機能を実装した「MAFFアプリ」を活用する(農林水産省ホームページhttps://www.maff.go.jp/j/press/seisan/sizai/210520.html<外部リンク>を参照)。

(新型コロナウイルス感染症への対応)
4.新型コロナウイルス感染症への対応については、「農業関係者における新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン」(公益社団法人大日本農会ホームページ掲載http://www.dainihon-noukai.jp/news01/2717/<外部リンク>)及び「畜産事業者における新型コロナウイルス感染防止、感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン」(公益社団法人中央畜産会ホームページ掲載http://jlia.lin.gr.jp/data/2020/somu/guideline_20200811.pdf<外部リンク>)に留意しつつ、作業者の安全確保を最優先に、必要な対策を実施する。
 なお、暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛ける。特に、マスクを着用して作業を行うときには注意し、屋外やハウスで人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクを外すなど対処する。

(チェックリストと農業版BCPの活用)
5.「自然災害等のリスクに備えるためのチェックリストと農業版BCP」(農林水産省ホームページhttps://www.maff.go.jp/j/keiei/maff_bcp.html<外部リンク>)を活用して、自然災害等のリスクに対する備えの意識を高めるとともに、農作物等の被害防止に向けて事前に必要な対策の実施に努める。

【作目別対策】
1.水稲
 育苗期における高温・高日射条件では、もみ枯細菌病等の病害、苗の徒長やヤケ苗が発生しやすくなるため、高温・過湿にならないようハウスの換気を行うとともに、十分なかん水を行う。
 また、生育前半が高温であった場合は、過剰分げつや籾数過多が見られることから、適正な基肥の施用、栽植密度の調整、中干しの徹底等に努める。なお、肥効調節型肥料(いわゆる基肥一発肥料)を使用した場合でも、現場での生育・栄養診断の実施による適切な追肥に努める。

2.麦類
 収穫期を迎える東北等の地域では、収穫機や乾燥調製施設の整備体制を考慮し、適期収穫となるよう気象予報等に留意した計画的かつ効率的な収穫作業に努める。

3.大豆
 発芽時や出芽後の干ばつは、出芽遅延が発生するため、ほ場の乾き具合に注意する。播種後の乾燥による発芽不良を防ぐため、砕土、整地、播種時の覆土・鎮圧を丁寧に行う。

4.茶
(1)急激な生育により摘み遅れることがないように、茶園巡回による生育状況の把握と計画的な摘採に努める。また、摘採後も葉傷みが進まないよう、摘採した生葉は可能な限り速やかに茶工場に運搬するとともに、茶園での摘採後及び工場への運搬中に直射日光に晒されないように注意する。工場到着後は速やかに生葉コンテナ等に移し、葉痛みが進まない様に留意する。
(2)摘採終了茶園においては、周辺の茶園の摘採状況と病害虫の発生状況を把握し、適期防除に努める。

5.野菜
(1)全般
➀ かん水は、立地条件や品目、生育状態等を十分考慮し、早朝・夕方に実施する。施設内でのかん水は、湿度が高くなりやすくなることから、夜間や曇雨天の日中には、通風するなどして湿度を下げる。また、地温上昇の抑制や土壌水分の保持を図るため、使用時期や施肥等に留意し、地温抑制マルチや敷わら等を活用する。高温耐性品種の選定に当たっては、立地条件、品種特性、需給動向等を十分に考慮する。
➁ 施設栽培は、妻面・側面を開放するとともに、作物の光要求性に応じて、遮光資材等を使用し、施設内の温度上昇を抑制する。遮光資材は、果実の日焼けや葉やけの防止にも有効である。循環扇は、局所的な高温・高湿空気の滞留を防ぎ、室内温度・湿度の均一化が図られるとともに、作業快適性の向上が期待できる。さらに、天窓の開閉や換気扇等を活用した換気、遮光資材、細霧冷房等の対策と併用することが重要である。
➂ こまめな除草や側枝、弱小枝及び下葉を除去し、風通しを良くする。
➃ 育苗箱は、コンテナやブロックでかさ上げし、風通しを良くする。
(2)特に葉茎菜類
➀ 乾燥によるチップバーンを防止するため、薬剤防除時にカルシウム剤を混用する。
➁ ねぎでは、軟腐病が発生するおそれがあることから畝間かん水を控える。
(3)特に果菜類
➀ 不良果の摘果、若採りを行い、着果負担の軽減を図るとともに、適切な施肥により樹勢維持に努める。
➁ 老化葉、黄色葉を中心に摘葉を実施し、水分の蒸発抑制に努める。
➂ カルシウム欠乏、鉄欠乏、ホウ素欠乏等の生理障害対策として、必要に応じて葉面布を行う。

6.果樹
(1)着色の遅延に伴い収穫時期が遅れ、果実が過熟とならないよう、糖度や食味の確認をしつつ適期収穫に努める。
(2)高温によって果実の日焼けが発生しやすい園地においては、各種資材による遮光等の対策をとる。
(3)高温で土壌が乾燥すると、葉などからの蒸散作用が抑えられ高温障害が助長されるため、土壌が乾燥しないよう十分かん水を行う。

7.花き
(1)かん水は、立地条件や品目、生育状態等を十分考慮し、早朝・夕方に実施する。施設内でのかん水は、湿度が高くなりやすくなることから、夜間や曇雨天の日中には、通風するなどして湿度を下げる。
(2)切り花については、朝・夕の気温の低い時間に採花し、常温で長時間放置しない。また、エチレンによる劣化を防ぐため前処理剤を使用し、品質の維持に努める。
(3)施設栽培の花きについては、施設内の温度上昇を抑制するため、妻面・側面を開放するとともに、作物の光要求性に応じて、遮光資材等を使用する。細霧冷房装置、換気装置等を設置している施設では、当該装置を有効に利用して適切な温度及び湿度の管理に努める。

8.園芸用施設
 施設栽培は、妻面・側面を開放するとともに、作物の光要求性に応じて、遮光資材等を使用し、施設内の温度上昇を抑制する。遮光資材は、果実の日焼けや葉やけの防止にも有効である。循環扇は、局所的な高温・高湿空気の滞留を防ぎ、室内温度・湿度の均一化が図られるとともに、作業快適性の向上が期待できる。さらに、天窓の開閉や換気扇等を活用した換気、遮光資材、細霧冷房等の対策と併用することが重要である。

9.畜産
(1)家畜
➀ 飼育密度の緩和、換気扇や扇風機による畜体等への送風や散水・散霧を行い、家畜の体感温度の低下に努める。
➁ 寒冷紗やよしずによる日除け、屋根裏・壁・床への断熱材の設置、屋根への消石灰の塗布等により、畜舎環境の改善に努める。
➂ 良質で消化率の高い飼料の給与、ビタミンやミネラルの追給及び清浄で冷たい水の給与に努める。
➃ 観察の頻度を増加させることにより、健康悪化の兆候がないか等、家畜の健康状態をよく把握し、快適性に配慮した飼養管理に努める。
 なお、具体的な家畜への暑熱対策に関する相談窓口については公益社団法人中央畜産会のホームページを、快適性に配慮した家畜の飼養管理については公益社団法人畜産技術協会のホームページを参照のこと。
中央畜産会の相談窓口のホームページ:http://jlia.lin.gr.jp/keiei/<外部リンク>
畜産技術協会の快適性に配慮した家畜の飼養管理のホームページ:http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/<外部リンク>
(2)飼料作物
 草地については、飼料作物の収穫作業や放牧の実施に際して、牧草等の生育状況を 踏まえ、適切な作業に努める。特に、今後高温が続くことにより、例年より作業時期が早まる可能性があることを考慮し、準備を進める。

農作物等の被害防止に向けた技術指導に関する通知

  農林水産省において、気象庁が発表する気象情報等に基づき、農作物等の被害防止に向けた技術指導通知を発出していますのでご参照ください。 農林水産省HPへ<外部リンク>

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