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今後の気象状況(特に気温関連)に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について

印刷用ページを表示する掲載日:2021年4月21日更新

今後の気象状況(特に気温関連)に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について

 3月は北からの寒気の流れ込みは弱く、暖かい空気に覆われたため、気温は全国的にかなり高くなりました。気象庁の1か月予報(4月15日)によると、4月の気温は平年並みか低い見込みであり、農作物の軟弱徒長や病害虫の発生などに加え、凍霜害等による農作物への影響が想定されます。
 このため、「農業技術の基本指針」(令和2年度改定)を踏まえ、作業者の安全確保を最優先に、新型コロナウイルス感染症拡大にも十分配慮しつつ、下記について、各地域の状況に応じた迅速かつ適切な対応が行われるよう、対策の実施をお願いします。

【共通事項】
(新型コロナウイルス感染症への対応)
1.新型コロナウイルス感染症への対応については、「農業関係者における新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン」(公益社団法人大日本農会ホームページ掲載 http://www.dainihon-noukai.jp/news01/2717/<外部リンク>)及び「畜産事業者における新型コロナウイルス感染防止、感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガ イドライン」(公益社団法人中央畜産会ホームページ掲載 http://jlia.lin.gr.jp/data/2020/somu/guideline_20200811.pdf<外部リンク>)に留意しつつ、作業者の安全 確保を最優先に、必要な対策を実施する。
(チェックリストと農業版BCPの活用)
2.「自然災害等のリスクに備えるためのチェックリストと農業版BCP」https://www.maff.go.jp/j/keiei/maff_bcp.html<外部リンク>)を活用して、自然災害等のリスクに対する備えの意識を高めるとともに、農作物等の被害防止に向けて事前に必要な対策の実施に努める。

【作物別対応】
1.水稲
(1)低温対策
 低温のおそれがある地域においては、移植は中苗や成苗を基本とし、稚苗の不適地への植付けや適期を越えた早植えを避けるとともに、活着適温に配慮し、十分温度が上昇してから 移植を行う。
(2)高温対策
 高温のおそれがある地域においては、育苗期における高温・高日射条件ではもみ枯細菌病等の病害、苗の徒長やヤケ苗が発生しやすくなるため、高温・過湿にならないようハウスの換気を行うとともに、十分なかん水を行う。また、生育前半が高温であった場合は、過剰分げつや籾数過多が見られることから、適正な基肥の施用や栽植密度の調整に努める。

2.麦類
(1)低温対策
 低温のおそれがある地域においては、幼穂が凍霜害を起こしやすいので、生育の状況に応じて踏圧を実施し、節間伸長を抑制する。
(2)高温対策
 高温傾向により平年よりも生育が早期化している場合には、麦の生育状況を的確に把握し生育ステージや生育量に応じて追肥を行う等の対策を実施する。

3.野菜
(1)低温対策
 発芽又は定植後の幼苗期は、フィルム被覆やべたがけ資材の利用により地温の上昇に努める。また、生育初期の窒素質肥料の多施用を避け、適切な生育管理に努める。育苗に当たっては、低温障害を受けないよう留意しながら、十分な換気を行う。なお、被害が発生した場合には、欠株の補植、速効性肥料の施用等により草勢の回復を図るとともに、病害虫を適切に防除する。
(2)凍霜害対策
 冷気の滞留場所、風向等を考慮し、凍霜害を回避できる適地を選定する。また、早期のは種・定植を極力避け、健苗の育成に努めるとともに、定植後は、フィルム被覆やべたがけ資材の利用等により被害の回避に努める。被害が発生した場合には、欠株の補植、速効性肥料 の施用等により草勢の回復を図るとともに、病害虫を適切に防除する。
(3)高温対策
➀ 高温傾向で推移することにより、軟弱徒長となることが懸念されることから、追肥量の節減等適正な肥培管理を図る。育苗中の密植を避ける等による軟弱徒長した不良苗の発生を防ぎ、健全苗の育成確保に努める。
➁ 病害虫の発生予察やほ場の観察による発生動向の把握に努める。コナジラミ類、アザミ ウマ類、ハダニ類等の害虫は発生の早期化による大きな被害の発生が懸念されるので、早期発見、適期防除に努める。加えて、罹病した株の除去等ほ場の衛生管理に努める。
➂ 急激な冷え込みや凍霜害の懸念が予想される場合は、必要に応じ、トンネル、寒冷紗、 不織布の被覆等により凍霜害の被害回避を図る。

4.果樹
(1)低温対策
 防風垣又は防風網を設けている場合は、裾の部分の巻上げ等を行い、冷気の停滞を防止する。敷わら栽培では、地表面での熱移動が妨げられるので、敷わらの全面被覆を避ける。
 収穫時期を迎えている場合は、異常低温が予想される前に収穫適期の果実を収穫し、凍害等により果皮・果肉障害が発生した場合には、出荷時にこれらの果実の混入防止に細心の注意を図る。
(2)凍霜害対策
 開花の前進化が見込まれる場合は、開花期から幼果期における降霜及び予期しない低温による凍霜害の発生が懸念されることから、霜害警報連絡体制を整備し、防霜ファンの稼働等により霜害の発生防止に努める。燃焼で降霜を防ぐ場合は、火災防止等の観点から周辺環境に十分配慮するとともに、固形燃料等ばい煙の発生の少ない燃料を使用する。
(3)高温対策
 生育の前進による品種間の開花時期の不揃い、訪花昆虫の活動低下による受粉の不良等による結実不良が懸念される場合は、摘蕾・摘花を控えめに行うとともに、適切な時期に人工授粉を行い、結実の確保に努める。
 病害虫の早期発生が懸念されるため、果樹園での発生状況や病害虫発生予察情報等に留意し、適時適切な防除に努める。また、罹病部位の除去等ほ場の衛生管理に努める。

5.茶
(1)凍霜害対策
 「令和3年産一番茶期における凍霜害防止策の徹底について」(令和3年3月12 日付け2 生産第2356 号農林水産省生産局地域対策官通知) (http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/attach/pdf/gijyutu_sido-163.pdf<外部リンク>)により注意喚起をお願いしたところであるが、全国的に生育が平年より進み、既に摘採期を迎えている産地もあることから、改めて防霜ファンや散水用スプリンクラー等が正常に稼働するか点検 を行い、凍霜害への対策を徹底する。
(2)高温対策
 新芽生育が急激に進むことが想定されるため、摘み遅れることがないように、茶園の巡回による生育状況の把握と計画的な摘採に努める。また、摘採後の葉傷みが進まないよう、摘採した生葉は可能な限り速やかに茶工場に運搬するとともに、摘採後及び茶工場への運搬中に直射日光に晒さないよう注意する。さらに、工場への搬入後も葉傷みを防ぐため、生葉コンテナ等で適切な生葉管理を行う。 また、病害虫類の発生が例年より早まることが想定されるため、茶園の巡回時に害虫の早 期発見に努め、適切な防除を実施する。

6.花き
(1)低温対策
 露地栽培等における発芽期又は定植後の幼苗期には、不織布などの被覆資材のべたがけや マルチング等により地温を上昇させる。育苗に当たっては、外気温が低い時期には施設内が多湿となり、病害発生に好適な環境となり得るため、低温障害を受けないよう留意しながら、十分な換気を行う。また、病害が発生した場合には、速やかに防除を実施する。
(2)凍霜害対策
 日照、風向等を考慮して凍霜害を回避できる適地をあらかじめ選定する。また、早蒔き、早植えを極力避け、健苗の育成に努める。定植後は、必要に応じ、フィルム被覆等により被害を回避するとともに、被害が発生した場合には、欠株の補植、被害の状況に応じた速効性 肥料の施用等適切な肥培管理により被害の軽減に努め、さらに適切な病害虫防除を実施する。
(3)高温対策
➀ 切り花については、朝・夕の気温の低い時間に採花し、常温で長時間放置しない。また、エチレンによる劣化を防ぐため前処理剤を使用し、品質の維持に努める。
➁ 施設栽培の花きについては、施設内の温度上昇を抑制するため、妻面・側面を開放するとともに、作物の光要求性に応じて、遮光資材等を使用する。細霧冷房装置、換気装置等を設置している施設では、当該装置を有効に利用して適切な温度及び湿度の管理に努める。

7.畜産
高温対策
➀ 草地については、スプリングフラッシュ等による急激な草勢が見られることなど、飼料作物の収穫作業や放牧の実施に際しては、牧草等の生育状況を踏まえ、適切な作業に努める。特に、今後高温が続くことにより、例年より作業時期が早まる可能性があることを考慮し、準備を進める。
➁ 土壌条件等により高温及び晴天の影響が大きく現れる地域では、土壌の保水力を向上させるため土壌改良資材の投入等を行うとともに、今後、播種を行う場合には、耐干性の優れた草種・品種の選定に努める。

農作物等の被害防止に向けた技術指導に関する通知

  農林水産省において、気象庁が発表する気象情報等に基づき、農作物等の被害防止に向けた技術指導通知を発出していますのでご参照ください。 農林水産省HPへ<外部リンク>

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