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心臓は、一日に約10万回規則正しく鼓動し、1分間に約4~8リットルの血液を全身に送るポンプとして休みなく働き続けています。心臓の検査には、
などをしらべる、12誘導心電図・ホルター心電図・運動負荷心電図があります。
さらに、心臓の壁の厚さ、大きさ、動き、血液の流れ方などをみる、心臓超音波検査があります。
12誘導心電図
運動負荷心電図
ホルター心電図
心臓超音波検査
脈の乱れ(不整脈)の種類や重症度を把握したり、激しい胸痛にて発症する狭心症・心筋梗塞といった虚血性心疾患や心肥大の有無などを12誘導心電図検査をすることによって診断することができます。検査方法は、両手首、両足首に電極をはさみ、左胸に6個の電極をつけて数分間記録します。しかし、脈の乱れや胸の痛みを訴えて来院されても、検査時に症状がなく、心電図上にも異常がない場合があります。その時には、24時間ホルター心電図や、運動負荷心電図などが行われます。
12誘導心電図検査中
心電図を一日(24時間)記録することによって、不整脈の種類やその正確な数、症状を有するときの心電図変化、日常活動時の狭心症発作の有無などを知ることができます。記録方法は、胸に5個の電極をつけはがれないようにテープで固定し、メモリーカードに心電図信号を記録させます。解析は、専用の解析装置で信号を心電図波形に変換して行います。約10万回 の心拍波形は、いったんコンピューターにて分類させた後、解析者によって、波形分類の確認、編集作業を正確に行います。心電図に異常を認めた場合は、必要に応じて、直ちに主治医に連絡をとり、適切な対応がとれるよう配慮しています。
ホルター心電図セット
電極装着時
解析風景
運動することによって、心拍数・血圧を上昇させて、心臓に負担をかけて、不整脈の出現の程度や、狭心症を誘発して、そのときの心電図変化を調べたりします。運動の種類には、
があります。トレッドミル検査は負担が大きいため、循環器医の立会いの下で検査を行います。
階段昇降試験では、踏み外さないよう、階段の段差にくれぐれも気を付けて下さい。運動終了直後に、心電図をとります。すみやかにベットに寝て下さい。
汗が出る場合がありますので、タオルを持参して下さい。運動しやすい服装でお願いします。下のベルトを見て走ると危ないので、必ず正面を見て、手すりを持って走って下さい。これらの検査は心臓に負荷をかけます。少しでも検査前、中、後に症状がありましたら教えて下さい。決して無理はしないようにしてください。体力テストではありませんからね。
マスター負荷心電図検査中
トレッドミル検査中
ひとの心臓は、4つの部屋(左心房・左心室・右心房・右心室)からなり、それぞれの部屋は、弁と呼ばれるもので仕切られ、血液が順序よく流れるようになっています。なかでも左心室は、全身に血液を送り出す最も大切なところです。心臓超音波検査では、これらの大きさや壁の厚さ(肥大)、また肺や全身に血液をしっかり送り出しているかどうか(心機能)、弁の開閉の状態(弁膜症)、生まれつき心臓の壁に穴などがないかどうか(先天性心疾患)、など超音波を使って観察することができます。妊婦さんの赤ちゃんを見る時の超音波と同じで、安全で痛くない検査です。
心エコー検査中