放射線室ではさまざまな検査・治療を行っておりますが、その一部を機器の説明とともに検査内容を以下にご紹介します。
現在当院では,PHILIPS社製iCT(128列)と東芝社製Aquilion(64列)の2台のMDCTが稼動しています。高速撮影による短時間撮影が可能となり、心臓検査から全身領域において患者さまの負担の少ない低侵襲の検査が実現しました。またiCTにiDOSE4,AquilionにAIDR3Dという被曝低減ソフトを導入しました。いずれも画像再構成に逐次近似法を用い、低線量でもノイズの少ない画像を得ることができます。これらのソフトの導入により画質を維持したまま最大で75%、通常の検査でも従来と比較し約半分の線量で撮影が可能となりました。心臓検査においても心拍をコントロールすることにより、さらに線量をおさえ被曝低減するとともに質の高い画像提供に努めています。
当院では、平成27年度にPhilips社製1.5TMR装置を導入致しました。今回導入しましたMRI装置は、以前の装置と比べて画質の向上、一部検査での検査時間短縮、患者様が検査の際に入っていただく装置内空間が広がったことによる圧迫感の軽減など、患者様により良く検査を受けていただける環境となっております。MRI(Magnetic Resonance Imaging)は核磁気共鳴を利用した画像診断法です。
MRIでは、FMラジオと同じくらいの周波数の電波を人体に照射し、画像を得る検査方法です。日常生活でも用いられているような周波数の電波を使用しているため、非侵襲性で様々な疾患の診断に有用な検査です(例:急性脳梗塞、脊椎病変、骨挫傷、靭帯断裂等)。
また、主幹動脈は造影剤を使用せずに3Dで血管撮像することも可能です。
MRI装置には、騒音を軽減する機能も付加されており、一部検査では患者様に音楽等を聞きながら検査を行っていただくことも可能となっております。
核医学検査とは、安全で苦痛のない検査です。CT、MRIと同様に主に画像から病気の有無、治療の効果の判定などに役立てる検査法です。RIの検査には、それぞれ特徴がありますので、目的によって検査法(使用する薬剤)を選びます。
検査の特徴としまして、放射性医薬品という検査用の薬を注射したり飲んだりした後、体外から体の中の薬の分布を検査装置(専用の検査用カメラ)で画像や検査値としてとらえます。これらの画像や検査値から病気の有無や病態の把握のための診断が行えます。
ほとんどの検査は、検査中ベットに寝ているだけで、比較的短時間で終わります。
当院のRI装置は平成23年に機器更新されています。
マンモグラフィとは、乳房をX線で撮影することにより乳がんの発見を目的とした検査です。触診では見つけにくい微細な病変を発見できるため、乳がんの早期発見に有効です。
乳房は柔らかい組織でできていて立体的な厚みがあります。もしそのままの状態で撮影してしまうと、乳房の中の乳腺や脂肪などが重なってしまい、病変があったとしても写しだすことが出来ません。その為、直接乳房に触れて引っ張るように広げ、圧迫板という透明の板で圧迫していきます。この様に撮影を行うことで、乳腺腫瘍や微小石灰化の抽出が可能となり、放射線の被曝を少なくする効果もあります。また、強く圧迫を行うため、多少痛みを伴うことがありますが、患者様とコミュニケーションをとりながら撮影を行いますのでご安心ください。
当院ではマンモグラフィーの認定を取得した女性の技師が撮影を行っておりますので、安心して検査を受けて頂くことが可能です。
マンモグラフィの解説
急速な高齢化、食生活の欧米化によって、日本はがん大国となりました。
がん治療は、手術、放射線治療、抗がん剤治療が三本柱です。それぞれの治療法には、利点と欠点があり、その症状にあった治療法を組み合わせて行われているのが現状です。
放射線治療には次のような特徴があります。
このように、患者さまにとって多くの利点があり、放射線治療の重要性は益々増加してきており、そのニーズに応えて放射線治療技術は大きく進歩を遂げています。
放射線という言葉を聞くと、誰もが少し不安に感じられると思いますが、技術的な進歩が進み、放射線治療は患者様に非常に優しく、安全なものになりました。
放射線室では、治療スタッフ(放射線治療専門医師、診療放射線技師)が患者様にとって安全で効率的な放射線治療を提供できるようにし、患者様と相談しながら治療を進めていきますので、どうかご安心ください。放射線治療に関して何かわからないことがあれば、放射線室までお気軽にお問い合わせください。(放射線治療専門医師は、月曜日午後、火曜日午後、木曜日午前のみ来院です。)