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夏台風の発生・接近及び大雨等に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導について

印刷用ページを表示する掲載日:2019年7月3日更新

夏台風の発生・接近及び大雨等に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導について

 夏に発生する台風は、秋に発生する台風に比べて動きが遅く、複雑な動きをするものが多い。また、日本付近にある前線の活動を強め、広い地域に大雨を降らせ、局地的な落雷や竜巻、突風、降ひょうを伴うこともあることから、今後とも気象庁が発表する最新の気象情報等に注意し厳重な警戒が必要です。

 このため、「農業技術の基本指針」(平成30年改定)を踏まえ、下記について、各地域の状況に応じた迅速かつ適切な対応が行われるよう、対策の実施をお願いします。特に、これまでの地震や大雨等の影響により被害を受けた地域においては、引き続き、土砂災害に細心の注意を払い、農作業及び農地・農業用施設の見回りについては気象情報を十分に確認し、これらの状況が治まるまで行わないなど、人命を最優先に二次災害の防止を徹底するよう、併せてご注意ください。

【全般】
 1.台風が接近、通過する地域にあっては、都道府県、地域農業改良普及センター、病害虫防除所、農業協同組合など関係機関の連携体制を整備し、気象庁の台風情報を基に地域に雨、風等によりどのような影響があるか把握しつつ、地域の品目や生育ステージに応じた対応を早くに現場に徹底すること。


2.人命第一の観点から、ほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まるまでは行わないこと。また、大雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、ほ場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行うこと。


3.暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛けること。特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、気がつかないうちに熱中症になる可能性があるため単独での作業を避け、定期的に異常がないか巡回を行うなど、効果的な対策を行うこと。


4.局地的な大雨が予想される地域においては、特に、これまで冠水したことのあるほ場や地域については、特に早くな排水に備えておくこと。排水ポンプの融通等についても積極的に進めるなど重点的に対応を進めること。
なお、各地方農政局土地改良技術事務所において、排水対策に活用できる災害応急用ポンプの貸出を行っているので、活用されたい。


5.病害虫への対策については、ほ場の冠水または浸水、過湿などにより病害虫の被害を受けやすいことから、都道府県病害虫防除所から発表される発生予察情報に基づき、適期防除に努めること。また、防除に必要な農薬の供給が不足しないよう、必要に応じて、農薬の販売店や農業協同組合等に対し、必要な農薬が供給されるよう要請すること。


6.暴風雨、増水等により施設や倉庫等の管理や巡回が十分できないことから、日頃から出入口等の施錠を確認するなど、防犯対策に注意すること。


【作目別対策】
1.園芸作物全般
(1)事前の対策
ア.台風が接近する前に施設やほ場周辺の点検、排水路の清掃を行うこと。
イ.温室、育苗・集荷施設等については、強風に備えて、取り付け金具の緊張、抑えひもによる固定、妻面の補強等の防風対策に努めるとともに、飛来物による損傷を防止するために施設周辺の清掃、防風網の設置等に努めること。
ウ.排水が早くに行われるよう施設周辺の集排水路の点検、清掃を行うこと。
エ.潮風害が予想される地域においては、除塩のための水源を確保しておくこと。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.台風が通過した後は、早くに施設、機器の点検を行い、補修や修理が必要な場合には適切な処置を行うこと。
イ.ほ場や温室が冠水した場合は、排水ポンプや溝切り等によりできる限り早くに排水を行うこと。
ウ.台風通過後の急激な気温の上昇に注意し、施設温室内の適切な温湿度管理に努めること。
エ.潮風害を受けた場合には、できる限り早くに散水により除塩すること。また、肥料が流亡した場合は、 土壌分析を実施し、 適正量を施用すること。


2.野菜
(1)事前の対策
ア.ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り、畦立て等の管理作業に努めること。また、台風による風害・潮風害のおそれのある場合には、べたがけ資材の利用等により被害回避に努めること。
イ.定植後の幼苗期は、支柱等により倒伏を防止すること。支柱やネットを設置している作物は、確実に固定されているか確認し、必要に応じて補強しておくこと。
ウ.は種や定植を予定している場合は、台風の通過前の作業を避け、通過後に行うこと。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.冠水や浸水等を受けたほ場においては、早くな排水に努めること。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努めるとともに、病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行うこと。
イ.果菜類では、根傷みによる草勢低下を防ぐため、摘果や若どりにより着果負担を軽減すること。
ウ.生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再は種を行い、被害の軽減に努めること。また、被害が目立つ場合には、他の品種または作物に転換することも検討すること。


3.園芸施設
(1)事前の対策
ア.ハウスの側面、妻面、屋根面の補強資材を設置し、構造強化を行うこと。また、腐食やサビがないか、留め具等に緩みがないか等点検し、必要な補修を行うこと。
イ.ハウス周辺について、強風時の飛来物による損傷を防ぐため、片付けや清掃を行うこと。燃料タンクやガスボンベ等がしっかりと固定されているか点検すること。ハウス周辺は、雨水の滞留やハウス内への侵入がないよう整備すること。谷樋や縦樋、排水溝は清掃を行い、早くに雨水が排除できるようにしておくこと。
ウ.強風時の被覆材の破損や剥離、ハウスの出入口の破損等によるハウス内への風の吹き込みによる被害を防ぐため、点検や必要な補修等を行うこと。ハウスの軒・棟・妻面付近では局部的に風速変動が大きくなるので入念に点検すること。強風時は室内外の気圧差により被覆材が膨れ、飛散する恐れがあるため、換気扇による減圧に努めること。倒壊の危険がある場合は被覆材を除去しておくこと。
エ.停電に備え、手動換気やカーテンの手動開閉等の作業内容の手順を確認しておくこと。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.冠水または浸水したほ場については、早くな排水を行うこと。
イ.台風通過後はハウス各部を点検し、必要な補修を行うこと。構造体のボルトや筋かい等は適切な方法で締め直すこと。
ウ. 被覆材や支柱、防虫ネット等の資材の点検や、必要な修復等を行うこと。環境制御装置や補光関連設備等についても、早くに作動状況を確認すること。
エ.台風通過後は強い日射によりハウス内温度が急上昇し、高温障害を生じやすいため早くに換気操作を行うこと。停電が伴う場合は手動、または非常用電源の作動で対策をすること。


4.果樹
(1)事前の対策
ア.強風に備えて事前に防風網や果樹棚支柱、マルチ資材の点検・補修を行っておくこと。また、倒伏しやすい樹体は支柱により補強しておくこと。
イ.収穫可能な果実はできる限り収穫しておくこと。その際、農薬散布から収穫までの経過日数に注意すること。
ウ.強い風雨が予想される地域では、かんきつかいよう病等の発生が心配されるため、防除基準に基づき、薬剤散布を行うとともに、既に罹病葉等がある場合には、園外へ処分すること。
エ.排水が早くに行われるよう園地周辺の集排水路の点検、清掃を行うこと。特にマルチ栽培の場合は、雨水が土中に浸透せず園外への排出量が増加し、土砂崩れや石垣の崩壊等につながる可能性があるため、排水路や排水溝の点検、清掃に注意すること。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.強風等により落葉した場合は、被害程度に応じて日焼けや樹脂病等の防止のための白塗剤を塗布すること。倒伏した場合は、健全な根を切らないようにできる限り早く引き起こし、支柱を添えて固定すること。枝裂けした場合は、針金、ボルト等で結合し、傷口に塗布剤を塗ること。被害により樹勢が弱まっている場合は、薬害が発生しないように注意しつつ病害虫の防除を実施するとともに、樹勢に見合った適切なせん定、施肥及び摘果を実施すること。
イ.落果した果実については、農薬散布から収穫までの経過日数に注意し、必要に応じて低温保管、選別の徹底、早期出荷等に努めること。
ウ.潮風害を受けた場合は、スプリンクラー等のかん水施設を活用し、直ちに水をかけ除塩作業を行うこと。除塩できずに落葉、落果等の被害を受けた場合には、被害程度に応じて液肥の散布、摘果、白塗剤の塗布等を実施すること。


5.花き
(1)事前の対策
ア.露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆し、草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行い、風害に備えること。
イ.ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り等の管理作業に努めること。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.冠水または浸水の被害を受けたほ場においては、早くな排水に努めるとともに、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止すること。
イ.折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努めること。
ウ.天候が回復した後、被覆資材、支柱、防虫ネット等の栽培施設や資材の点検及び修復を行うこと。特にキク等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球、タイマー等)については、早くに作動状況の点検を行うこと。
エ.生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植え替えや再は種を行い、被害の軽減に努めること。


6.畑作物・特産農作物(茶、かんしょ、ばれいしょ、てん菜、さとうきび、そば)
(1)事前の対策
冠水や浸水の予想されるほ場において、作物の性質やほ場の状況に応じて、冠水または浸水後の排水対策が早くに行われるよう、溝切り等の対策を行うほか、明きょ等を点検・補修等を行っておくこと。
茶については、摘採期を迎えている場合には、可能な限り、台風が近づく前に摘採を行うこと。また、強風による棚施設の破損や倒壊を防ぐため、事前に棚施設から被覆資材を撤去すること。やむを得ず、被覆資材が撤去できない場合は、風で広がらないように強く縛って固定し、被害の軽減に努めること。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.潮風害が心配される場合には、できる限り早くに散水により除塩すること。
イ.かんしょやばれいしょについては、ほ場が冠浸水した場合、生育遅延や塊茎腐敗等を起こしやすいので、早くな排水に努めること。また、湿潤ほ場での収穫は行わないこと。
ウ.てん菜については、ほ場が滞水した場合、生育不良等を起こしやすいので、早くな排水に努め、長時間の冠水または浸水を避けること。また、過湿により病害の発生が助長されるので、状況に応じた適切なほ場管理や薬剤散布を行うこと。
エ.さとうきびについては、台風の通過後、表土の流出により根浮き等がみられることがあるので、この場合、早くに土で被覆すること。また、塩害が心配される場合は、スプリンクラー等のかん水施設を活用し、葉面の除塩に努めること。
オ.茶については、強風により葉ずれや葉いたみがあった場合には、殺菌剤を散布し病害の発生を防止するとともに、幼木園等において風により幹が回されたものは早めの土寄せや敷き草を行い地際部や根を保護すること。
天候が回復した後、茶工場や防霜ファン、棚施設、茶園の排水溝や法面等を点検し修復を行うこと。
カ.そばについては、ほ場が滞水した場合、出芽不良や根腐れによる生育不良等を起こしやすいので、早くな排水に努め、長時間の冠水を避けること。


7.水稲・麦類・豆類
(1)事前の対策
冠水や浸水の予想されるほ場において、作物の性質やほ場の状況に応じて、冠水 または浸水後の排水対策が早くに行われるよう、溝切り等の対策を行うほか、明きょ等を点検・補修等を行っておくこと。
低温・寡照の傾向がある稲作地域においては、生育進度に合わせた深水管理やいもち病の防除を適切に行うこと。早期米地帯においては、収穫後に自宅倉庫等で保管されている米については、共済制度の対象とならないことに注意し、適切な場所で保管すること。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.水稲については冠水時には排水路等を通じて早くな排水に努め、排水後は、白 葉枯病等の発生動向に注意し、的確な防除に努めること。また、冠水被害を受けた稲体は水分調節、肥料吸収等の機能が低下していること、出穂期や登熟期における台風通過に伴うフェーン現象は、白穂の発生、登熟不良等を引き起こすことから、根の活力を旺盛に保つよう水管理を徹底するとともに、応急的に通水し、水分の補給に努めること。
台風の接近に伴う強風や大雨により倒伏や潮風害が起きた場合には、未熟粒や穂発芽等が発生し、品質低下が心配されるため、被害の程度と籾の状況を見極めつつ適期収穫に努めるとともに、被害籾は仕分けして乾燥・調製を行うこと。
イ.麦類については、降雨等による品質の低下や穂発芽が心配されるため、収穫適期を逃さないよう、ほ場毎の登熟状況や気象情報に細心の注意を払い、計画的な収穫作業に努めること。収穫後は早くに乾燥を行い、半乾貯留(子実水分17%程度以下)を行う場合でも、一次乾燥が終わり次第、早くに仕上げ乾燥を行うこと。
また、赤かび病等が発生しているほ場は健全なほ場と分けて収穫・乾燥調製を行うとともに、乾燥調製施設の荷受時においても品質のチェックを入念に行い、健全粒との仕分けを徹底すること。
ウ.豆類については、浸水や冠水等により再は種を行う場合は、は種晩限に注意しつつ、は種時期に応じ、は種量を増やす等により苗立ち数等の確保に努めること。
また、止むを得ず転用種子を用いる場合も、発芽率等を確認した上で必要に応じ、は種量を増やす等により苗立ち数等の確保に努めること。


8.畜産
(1)事前の対策
ア.畜産施設については、損傷、倒壊等を避けるため、必要に応じて補修を行うこと。
イ.大雨による畜産施設への浸水のおそれがある場合は、明きょの施工等により排水に努め、家畜への被害が生じるおそれがある場合は、事前に避難場所を確認し、状況に応じて家畜を避難させる等の適切な処置を行うこと。
ウ.各地域において、行政機関や生産者団体等との連携により、あらかじめ停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機による搾乳や生乳冷却等について、早急に対応できるよう努めること。
エ.飼料・燃料などについては、不測の事態を考慮し、家畜を少なくとも1週間以上飼養するために必要な分量を最低在庫量として維持するよう、計画的な生産や購入に努めること。その保管場所については、河川の増水や土砂崩れのリスクも考慮し、分散して保管するなど工夫すること。また、飲水についても貯留タンクの設置やくみ上げポンプを準備するなどの対応を行うよう努めること。
オ.天気予報などにより天候の状況を注視し、飼料作物の管理・収穫作業等の計画を変更するとともに、収量や品質の確保のために、その調製法や時期についても、例えば乾草からサイレージに切り替えるなど臨機応変な対応を行うこと。特に飼料用とうもろこしについては、台風等に当たると予想される場合、糊熟期以降であれば、収穫適期に達していなくても、被害軽減のために収穫作業を一部前倒して開始することも検討すること。また、降雨による冠水に備え、ほ場に明渠や暗渠を整備するなど、排水対策を講ずること。
(2)被害拡大防止のための対策
ア.畜産施設及び家畜
(ア) 天候が回復した後、直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行うよう努めること。また、土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去するよう努めること。
(イ)畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚染がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行うよう努めること。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染性疾病の発生予防措置を行うよう努めること。
(ウ)水濡れ、土壌の付着などにより品質が低下した飼料の給与は、家畜への健康被害や畜産物を通じた人の健康への影響の心配がある場合は中止すること。健康への被害や影響が明らかでない場合には、家畜保健衛生所などの指示を仰ぐこと。飼料の品質が低下しているもののこれらの影響が想定されない場合で、代替飼料が確保できないなどの理由によりやむを得ず給与する場合には、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意すること。
イ.飼料作物及び稲わら
(ア) 冠水や浸水等の被害を受けたほ場においては、早くな排水に努めること。
(イ)倒伏、冠水などにより、飼料作物が被害を受け、減収が心配される場合などには、次期作を前倒しした作付けや、稲わら等の農産副産物の確保等により、良質な粗飼料の確保等に努めること。

農作物等の被害防止に向けた技術指導に関する通知

  農林水産省において、気象庁が発表する気象情報等に基づき、農作物等の被害防止に向けた技術指導通知を発出していますのでご参照ください。 農林水産省HPへ<外部リンク>

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