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平成28年度当初予算提案説明における基本的な考え方について

ページID:0109766 更新日:2016年2月18日更新 印刷ページ表示

平成28年2月定例会におきまして、平成28年度当初予算などの議案を提案するにあたり基本となる私の考え方を述べさせていただきます。

昨年10月、市民の皆様の負託を受け、松阪市政の舵取りを任されてから、4カ月が過ぎました。この間、議員の皆様をはじめ市民の皆様から多くの励ましをいただきましたことに深く感謝申し上げます。

市の行政は、正しく市民のため、公共のサービスを提供するためにあります。日頃より「誰のため、何のため」なのかと市行政に関わる皆様に申しておりますが、特に大事なことは、より公平で公正なサービスを市民に受けていただけるか、という視点です。ややもすれば、行政サービスについて知っている人は知っていますが、知らない人は全く知らないということが日常です。いかに、市民に知ってもらい、より良い行政サービスを提供できるかという点、そして、それがより公平で公正なサービスとなっていくように変えていく姿勢を持つことが重要です。

後ほど事業の説明をしますが、例えば、がん検診をより多くの市民が受診できるよう制度改正するほか、市営住宅の入居者が不公平感を持たないよう長期の滞納者に明け渡しを促すなど、「公平」・「公正」を土台とした基本的な考え方の基に、様々な取組を開始したいと思っています。

平成28年度は合併から12年目を迎える年です。海岸部から山間部、中心市街地という幅広い特徴のある、個性を持つまちがあるなかで、合併後のまちづくりの効果が短期間に形となって現れることは簡単でないかもしれません。しかし、同じ市に住む市民が異なる行政サービスを受ける状態は、正していかなければなりません。平成27年4月に稼働した松阪市クリーンセンターにおいて市内全域のごみの処理を統一して行うなど、一つひとつ、あるべき姿に向けて進めていきたいと考えています。今後においても、合併により生み出された連携や交流をさらに拡大し、市の一体性の向上及び均衡ある発展の取組を着実に進めていきます。まず、都市の将来像を示す都市計画マスタープランの作成、旧市町単位で建設されてきた公共・公用施設のオール松阪でみた全体最適化を進めます。そして、平成28年度を「松阪市の新しい挑戦の第一歩」の1年としていきます。

平成28年度を初年度とする新しい松阪市総合計画において、まちづくりの基盤を形づくるとともに社会情勢の変化を的確に捉え、未来へつなぐ松阪市の方向性をしっかりと定めていきます。総合計画の策定にあたっては、3月に実施する市民5000人アンケート結果の検証を行うとともに、総合計画審議会の開催、本庁、各地域振興局管内で開催する地域懇談会での地域住民との意見交換会、さらにはパブリックコメントなどを行い、市民の声を十分反映した総合計画となるよう努めていきます。

財政運営については、市税の大きな伸びが見込めない一方、合併後10年を経て普通交付税が平成27年度から段階的に10億円程度減額されていくため、財政事情は厳しさが増していく状況です。このような中、平成28年度予算では、次の世代を担う子どもたちに負の遺産を背負わせることのないよう、市の借金を増やすことなく予算編成をしました。また、健全な財政を確保する中で高齢化等に伴う社会保障関連経費などの増加にも対応しつつこの後に説明する各種事業に投資し、新しい取組を始めたところです。平成28年度予算は、私の公約実現に向けた第一歩の予算です。まず、種を蒔くところから始め、種が大きく成長するよう様々な施策に取り組み、新しい挑戦をしていきます。

それでは、主要事業の概要について、「安全で安心なまちづくり」「子どもの学力向上」「子育て環境の充実」「健康づくり」「個性を生かしたまちづくり」「産業振興」の6つの柱に沿ってご説明申し上げます。

1つ目は、「安全で安心なまちづくり」です。
行政が行う基本的な役割は、市民の生命・財産を守ることです。「自然災害に強いまちづくり」を目標に、地域住民や関係機関等と連携して防災の取組を進めます。災害用備蓄品の配備や防災行政無線のデジタル化等を計画的に行い、災害に対する備えを行っていきます。特に、床上浸水対策では三重県との連携を強化し「床上浸水ゼロ」を目指し、10年で成果が出せるような即効性の高い河川改修や下水道整備に取り組みます。交通安全対策については、昨年12月に「交通死亡事故多発警報」を発令するなど、依然として続く厳しい状況を重く受け止め、これまでの市内の交通事故の状況を分析し、今までの取組に加え、白線等の路面表示に力を入れ車両運転者の視認性を高めるなど、ソフト・ハードの両面から交通事故発生の抑止に取り組んでいきます。

2つ目は、「子どもの学力向上」です。
学力向上については、昨年度より実施している松阪市標準学力調査の対象を小学校2年生からに拡大するとともに、新たに「学力向上プロジェクトチーム」を編成し、児童生徒の実態に応じた教職員の授業改善、補充学習のあり方などについて検討を進めていきます。また、学力向上に係る先進地である福井市に教職員を派遣するとともに、授業づくりのスペシャリストを招へいし、教職員の指導力向上を図り、子どもの学力向上に向けた取組を進めます。全国的にも高く評価され成果をあげているICT教育は、導入校のそれぞれ地域性のある特色を生かしつつ、アクティブ・ラーニングなどICT機器を活用した教育実践の先行研究を進めていきます。あわせて、図書館から小学校・中学校へ司書を派遣し、地域の読書ボランティアの育成や、家庭・地域・学校での読書活動を推進することで、子どもたちの読む力、書く力、表現力等の育成に努めます。

3つ目は、「子育て環境の充実」です。
安心して子育てができるような環境づくりとして、妊娠から出産、子育て期にわたる様々な市民のニーズに対して、途切れのない支援を行う松阪版ネウボラとして、健康センター内の「子育て世代包括支援センター」において推進の第一歩としていきます。放課後児童クラブについては、児童が急増する中川小学校区に3か所目となるクラブを開設するほか、新たに米ノ庄小学校区に放課後児童クラブを開設します。また、保育園については、嬉野・三雲地域における私立認可保育園の定員を増やし、待機児童の解消を図ると同時に保育環境の充実に努めていきます。平成28年10月に開設する松阪市子ども発達総合支援施設では、心身の発達の状況に合わせた療育・訓練の支援プログラムを実施し、専門機関等との連携・協働により心身の発達が気になる又は障がいのある子どもの「育ち」を支援していきます。鎌田中学校の校舎改築事業については、平成31年度の新校舎完成を目指して、基本設計及び実施設計を行っていきます。松阪図書館は、平成30年4月のリニューアルに向けて改修設計業務を実施し、中学生・高校生にお薦めの図書を集めた「ティーンズコーナー」や、育児や生活に役立つ図書を揃えた「ママ友コーナー」などを設け、「交流と創造」をキーワードに本を通して子育てを支援する新しい図書館を目指します。

4つ目は、「健康づくり」です。
現在、建設を進めている新・健康センターは、健康診査や健康相談等の機能を充実し市民ニーズに対応した保健活動の拠点施設として、また、松阪地区医師会等との連携をさらに強化し、休日・夜間応急診療所の充実強化を図った一次救急医療の拠点施設として平成29年4月の開設を目指し、市民主体の健康づくりを進めていきます。また、がん検診の受診推奨年齢における受診自己負担金を無料とし、受診率を向上させるとともに、特定健診等の推進により生活習慣病の早期発見、早期治療につなげていきます。今年はリオデジャネイロオリンピックの開催年です。地元出身のオリンピック出場選手の応援を市をあげて行い、市民に元気・勇気を与えるとともに、オリンピックや平成33年開催の「三重とこわか国体」を目指す子どもたちの関心を高めていきます。そして、現在4種目の市長杯を16種目に増やしスポーツの裾野を広げていきます。また、平成29年度から10年間の松阪市スポーツ推進計画を策定します。高齢者の健康づくりをさらに進めるため、宅老所・サロンや老人クラブといった身近な集いの場などに参加すると、参加の程度に応じて一定の特典が得られるお元気応援ポイント事業を開始し、介護予防の機会を広げていきます。

5つ目は、「個性を生かしたまちづくり」です。
地域を包括する住民協議会においては、身近な地域の課題解決やそれぞれの地域の特性を生かした様々な活動が行われています。今議会において、「松阪市住民協議会条例」を上程させていただきますが、条例において住民協議会の基本的事項を定め、住民協議会の自律した運営や取組を支援していきます。松阪市全域の将来都市像や土地利用の方向、まちづくりの方針を示す松阪市都市計画マスタープランについて、社会経済状況等の変化に対応した見直しを行います。あわせて、今後の人口減少と高齢化の課題に対応するため都市構造を見直し、住宅及び医療施設、福祉施設、商業施設などの都市機能の増進に寄与する施設の立地適正化を図る計画を作成します。松阪駅を中心とした中心市街地のまちづくりについては、20年後を見据えたまちづくりの方向性を示しながら、区域内の公共施設等の統廃合をはじめ、具体的な施設配置及び土地利用について、地域住民のニーズ等を踏まえた実効性のある計画として、「豪商のまち松阪中心市街地土地利用計画」を新たに作成します。

6つ目は、「産業振興」です。
松阪市の産業振興は、その多様で豊富な資源を生かした地域産業を育成し、地域経済の発展に努めていくことが大切です。このような視点に立ち、松阪市では初となる航空機産業の進出を地域経済の活性化のチャンスととらえ、新たな基幹産業として発展成長するよう取り組んでいきます。企業誘致については、県内外の優良企業をトップセールスで松阪市に誘致するほか、地域の既存企業への支援や企業間連携といった内側の地域にも着目した複合的な誘致活動を展開し、既存企業の成長戦略も含んだ誘致活動を展開していきます。雇用については、このような産業振興や企業誘致戦略により新たな雇用の場の創出に努めるとともに、慢性的な人材不足が市民生活に不安を及ぼす恐れのある看護師、介護士、保育士を対象にその就労促進を行い、雇用環境の整備に努めます。障がい者の就労相談をはじめ生活全般の相談については、窓口の体制を強化していきます。さらに、市内産業がより活性化するよう、事業所が持つ課題の相談に応じ、その成長を支援していけるよう産業支援センターの創設に向けて調査していきます。5月に開催される伊勢志摩サミットは松阪市の魅力を国内外に情報発信する絶好の機会となります。松阪牛では、サミットの食材として特産松阪牛の使用を積極的にアピールしていきます。そして、米国などの海外で特産松阪牛のPRに努め、将来の本格輸出への布石を打っていきます。また、外国人観光客誘致については、受入体制の整備を進めるとともに、商談会等へ参加するなどの取組を継続して行います。松阪茶については、老朽化した防霜ファンの改修を行い品質確保に努めるとともに、首都圏での販路拡大に向けた取組などを関係機関と連携して進めます。また、地域の農林水産物をふるさと納税のお礼産品として積極的に取り入れ、農産物のブランドの普及・PRを推進します。林業については、森林組合を核に森林の集約化や森林内の作業道整備を進め、木材生産性の効率化を図っていきます。

以上、平成28年度の主要事業の概要を申し上げましたが、このほか、医療、福祉、環境、文化など、市民生活や市民活動を支えるための様々な施策を着実に進めていきます。また、市民サービス向上のひとつとして、戸籍住民課において現在、毎週月曜日に行っている時間外窓口を毎日20時まで延長し、市民の利便性の向上を図ります。
松阪市の市政を託された自治体の長として、市民のための行政としての責務をしっかりと果たしていきます。市職員が一丸となって、新しい挑戦の第一歩を始めますので、議員の皆様、市民の皆様の温かいご支援、ご協力を頂きますよう、よろしくお願いいたします。

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