血液の検査

印刷用ページを表示する掲載日:2012年2月20日更新

血液の検査

どんなことがわかるのかな?

 血液は、赤血球や白血球などの細胞成分と、血清あるいは血漿と呼ばれる液体成分の大きく二つに分類されます。血液を用いた検査には、

  1. 細胞成分において、赤血球・白血球・血小板などの数や形態を調べる血液検査
  2. 液体成分では、いろいろな試薬を使って、そこに含まれる物質の量を測定したり、酵素と呼ばれるものの活性を分析する生化学検査

などが、あげられます。

試験管にいれた血液の写真

採血の種類と採血量

検査の目的に応じて、いくつかの種類の試験管に採血させていただいています。

  • 紫の試験管(写真左)は、赤血球や白血球、血小板の数や形態、貧血の有無などを調べます。血液が固まらないようにするための薬品が入っています。約2mlの量で赤血球、白血球、血小板等の検査ができます。
  • 灰色の試験管(写真中央)は、血糖値を測定するのに使われ、約2mlの血液が必要です。
  • 茶色の試験管(写真右)は、液体成分の検査に使い、コレステロールなどの体の中にある物質や、酵素を測定します。またアレルギーやウイルスの検査にも使われます。約7mlの採血量でおよそ30項目の検査ができます。

試験管の写真

分析装置の紹介

血球自動分析装置

血球自動分析装置の写真紫のキャップで採血された試験管をセットし、スタートを押すと約3分程度で測定結果が印刷されます。1時間に約50人分に処理が可能です。

生化学分析装置

血液の血清と呼ばれる液体成分を測定する装置。機械にセットしてスタートを押すと約20分程度で測定結果が自動的に印刷されます。1時間に約30 人分の処理が可能です。生化学分析装置の写真

 じょうずな血液検査の受け方

普通は、空腹時に採血をおこないますので、採血がある場合は食事をとらずに来院して下さい。食事をして採血をおこなうと、血糖、中性脂肪などが高値となり真の結果値が出ません。

かんたんな血液の検査結果の解釈(1)

 血液検査 細胞成分

検査5 検査6

 赤血球 RBC

赤血球の主な役割は、赤血球中のヘモグロビンの hemoによる酸素・二酸化炭素の運搬です。赤血球増加症(真性多血症・脱水など)で、赤血球数が増加し、貧血で、赤血球数・ヘモグロビン濃度が減少し、さらに MCV(平均赤血球容積:赤血球の大きさ)で貧血の種類(鉄欠乏性貧血・悪性貧血など)が推定できます。 

白血球 WBC

白血球の主な役割は、細菌や異物を貪食し、殺菌・分解・消化することです。抗原(細菌異物など)を認識し、それに対する抗体(免疫)を作ります。感染症・炎症性疾患・白血病などで、白血球数が増加し、ウィルス感染・再生不良性貧血などで白血球数が減少します。

血小板 PLT

血小板の主な役割は、血管が傷ついて血管外に血液が流れ出した時、血管を収縮し、傷に血小板が粘着・凝集してふさぎ、出血を止めることです。出血傾向の診断には、血小板数だけでなく、凝固線溶検査の測定も行われます。血小板減少症・血小板機能異常症・血友病・播種性血管内凝固症候群などがわかります。 

かんたんな血液の検査結果の解釈(2)

 生化学検査 液体成分

肝臓について

肝臓は体の中で一番大きな臓器で、お腹の右上部に位置します。蛋白質やコレステロールなどの栄養分を作ったり、体内にある有害な物質を無害な物質に変えたり、ビタミンなどを蓄えたりする役目をもっています。肝臓の細胞の中には、AST(アスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ、別名GOT:グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスアミナーゼ、別名 GPT :グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)という酵素がたくさん含まれていて、肝炎などの病気で細胞が傷つくと、これらが、血液の中に出てきて、高い値になります。また、Ch-E(コリンエステラーゼ)という酵素や、TP(総蛋白)は、肝臓で作られるため、肝臓の機能が落ちている肝硬変などの病気で、低い値になります。 γ-GTP(ガンマ グルタミルトランスペプチターゼ)という酵素は、アルコールと関係が深く、お酒の飲み過ぎで、値が高くなります。 T-Bil(総ビリルビン)は赤血球が古くなって出来る色素で、肝臓から、その下にある胆のうへ行き、そこで胆汁となり、最後には便の中に排出されます。肝硬変や胆石症といった胆汁の流れの悪くなる病気で、血液中のビリルビンが高くなり、黄疸の症状があらわれます。肝臓は、「沈黙の臓器」と言われるほど、自覚症状が出にくいので、定期的に血液の検査で、チェックすることが大切です。

腎臓について

腎臓は、そら豆のような形をしていて、背骨をはさんで左右に一個ずつあります。おしっこをつくるのが仕事です。血液は、腎臓の中でふるいにかけられ、体に必要な成分はもう一度吸収され、いらない部分はおしっことして排泄されます。腎臓の機能が低下して、この排泄がうまくいかないと、本当なら、排泄されるべきBUN(尿素窒素)、CRE(クレアチニン)などが停滞して、血液中の値が高くなります。

高脂血症について

血液中のT-CHO(総コレステロール)やTG(中性脂肪、トリグリセライド)が、正常より高い場合を高脂血症といいます。この状態が長く続くと、動脈硬化をおこし、さらに心筋梗塞、脳梗塞などの病気をひきおこす可能性があります。HDL - CHO(高比重リポタンパクコレステロール)は、動脈の壁からコレステロールを肝臓へ運ぶ作用があり、善玉コレステロールとも呼ばれます。

痛風について

痛風とは、血液中のUA(尿酸)という物質が増えて、関節炎などを患う病気です。発作時の関節痛は激痛で、「風が当たっても痛い!」というところから、病名の由来になっています。また、尿酸のもとになっている物質が、肉類に含まれているので、肉類を好む人がかかりやすいともいわれています。

糖尿病について

糖尿病は、血液中のGlu(グルコース、血糖)が上昇する病気です。血糖値を下げるインスリンというホルモンの不足などが原因としてあげられます。糖尿病の検査にはグルコースの他、HbA1c(ヘモグロビンA1c)があります。これは過去1~2ヶ月のグルコースの状態をよくあらわすので、糖尿病の状態の管理によく用いられています。

このホームページで紹介した項目名の略語一覧とその基準値

略語一覧とその基準値の表
検査項目基準値
RBC 赤血球男性:410~550×104/μl
女性:380~480×104/μl
WBC 白血球4,000~9,000 /μl
PLT 血小板15~40 ×104/μl
AST アスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ10~35 IU/l
ALT アラニンアミノトランスアミナーゼ10~35 IU/l
CH‐E コリンエステラーゼ0.60~1.30 Δph
TP 総蛋白6.5~8.5 g/dl
γ-GPT ガンマーグルタミルトランスペプチターゼ8~60 IU/l
T‐BIL 総ビリルビン0.2~1.3 mg/dl
BUN 血中尿素窒素9.0~22.0 mg/dl
CRE クレアチニン男性:0.50-1.10mg/dl
女性:0.40-0.80mg/dl
T‐CHO 総コレステロール150~219 mg/dl
TG 中性脂肪、トリグリセライド50~149 mg/dl
HDL-CHO 善玉コレステロール40~95 mg/dl
LDL-CHO 悪玉コレステロール 
UA 尿酸2.0~6.9 mg/dl
GLU 血糖、グルコース70~109 mg/dl
HbA1c ヘモグロビンA1c4.3~5.8 %