肺の検査

印刷用ページを表示する掲載日:2012年2月20日更新

肺の検査

どんなことがわかるのかな?

肺のおもな機能は、空気中の酸素を血液中に取り込み、逆に血液中の二酸化炭素を呼気として排出することであります(ガス交換)。このためには、十分に換気をすることができる肺活量、呼吸に関与する呼吸筋の力、肺の適度なやわらかさ、良好なガス交換などが正常に機能する必要があります。
これらは、いろいろな病態で悪化し、呼吸困難や息切れといった症状として現れます。また最近では、睡眠中に呼吸が止まってしまう疾患も注目されています。これらを評価する検査として、

  1. 肺活量検査
  2. フローボリューム検査
  3. 機能的残気量検査
  4. 肺拡散能力検査
  5. 終夜睡眠ポリグラフィー

などがあります。
対象となる疾患には、慢性閉塞性肺疾患(Copd)として、慢性肺気腫・気管支喘息・慢性気管支炎、拘束性障害を示す疾患として特発性肺線維症・リウマチ性肺疾患、ほかに睡眠時無呼吸症候群があげられます。

検査の方法

これらの検査結果は、検査を受けられる方(患者様・ドック検診の方など)の努力によって大きく左右されます。私たち臨床検査技師は、検査を受けられる方の肺の機能を正確に導き出すため、検査に応じた呼吸方法を、いっしょうけんめい掛け声をかけて行わせていただきます。

(1)肺活量

マウスピースをくわえ、鼻をつまみ、口で安静な呼吸をします。その後、息を全部吐けなくなるまで(最後まで)吐き、次に胸いっぱい息を吸い込んでいただきます。そして最後に、もう一度息を全部吐いていただきます。これが肺活量で、あなたの最大吸気位から最大呼気位までの量を示しています。
性別・身長により、予測肺活量が算出され、それと比較してあなたの肺活量が正常なのか、あるいは減少しているのかを評価します。(80%以下:拘束性障害)

(2)フローボリューム検査

マウスピースをくわえ、鼻をつまみ、口で安静な呼吸をします。最初、胸いっぱい息を大きく吸い込みます。そして、『吐いて!』の合図で、一気に息を吐き、最後まで力いっぱい吐き続けていただきます。努力性肺活量も同時に測定されます。
1秒間に努力性肺活量のうちの何%を吐き出せるか?(1秒率)、どれだけ短時間に勢いよく、息を吐き出せるかを評価します。(1秒率70%以下:閉塞性障害)

(3)機能的残気量検査

残気量は、息を全部吐いても、肺や気道に残る空気の量です。この残気量と安静呼気位での量を加えたものが機能的残気量となります。肺の収縮力や呼吸に関与する胸郭の状態、気道の抵抗などにより規定されます。これを測定することにより、すべての肺気量分画を知ることができ、詳細な呼吸器疾患の病態を把握することが出来ます。
 測定には、人体に影響のない濃度のヘリウムガスを使用しますので、特殊な肺機能検査装置が必要です。測定装置に接続されたマウスピースをくわえ、安静な呼吸を4分ほどした後、肺活量を測定します。

 肺機能検査装置

(4)肺拡散能力検査

肺でのガス交換、つまり吸い込まれた空気中の酸素が、肺胞壁と呼ばれるところを介して肺毛細血管に達し、血液中のヘモグロビンと結合して酸素化され、その血液が全身に送られる過程を、肺拡散能力検査にて知ることが出来ます。この拡散能力が障害されると、肺活量は十分にあるのに、低酸素血症をきたし、とくに労作時の呼吸困難として症状を呈することがあります。
 測定装置に接続されたマウスピースをくわえ、息を全部吐きます。次に勢いよく胸いっぱい息を吸い込み、10秒間息を止めます。10秒後、『吐いて!』の合図で一気に息を最後まで吐いていただきます。機能的残気量と同様に、人体に影響のない濃度の一酸化炭素・ヘリウムガスを用い、特殊な肺機能検査装置を用いて測定します。

(5)終夜睡眠ポリグラフィー

睡眠時無呼吸症候群と高血圧・心不全・心筋虚血・脳梗塞などとの関連が数多く報告されるようになりました。脳波、眼電図(眼の動きを見る)、おとがい(あご)、及び脚部筋電図、心電図、酸素飽和度、胸腹部呼吸運動、いびき音、体位などのセンサーを装着した状態で、普段どおり眠っていただき、睡眠中の呼吸状態とその時々の酸素 飽和度を記録して解析します。

 睡眠時無呼吸症候群の診断基準

1:睡眠1時間あたりの無呼吸の出現回数である無呼吸指数
  apnea index:AI 5以上
2:睡眠1時間あたり無呼吸または低呼吸指数
  apnea hypopnea index:Ahi 10以上

センサー

家族や周囲のものから『すごい、いびき!』とか、『夜寝てるとき、息がとまってるよ』と言われたり、眠気がひどく、昼間すぐ眠ってしまう、肥満である、熟睡感がない(目覚めがすっきりしない)、血圧が高いなどの症状のある方は要注意です。

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